「観衆が見たいものをほぼ全て提供した」MLS開幕戦で2ゴール関与のメッシを欧米メディアが絶賛! 加入後の“莫大な経済効果”にも注目

現地時間2月21日に行なわれた2024年MLS(メジャーリーグ・サッカー)の開幕戦で、インテル・マイアミはレアル・ソルトレイクを2ー0で下し、白星スタートを切った。

リオネル・メッシのMLSでの2シーズン目、フルシーズンとしては初の戦いが幕を開けた。36歳のスーパースターは、国際的な俳優ウィル・スミスらセレブも訪れた本拠地チェイス・スタジアムで期待通りの華麗なテクニックを随所に披露。多くの見せ場を作ったうえで、39分にロバート・テイラーにラストパスを通して先制ゴールをアシスト。さらに83分にはドリブルで敵陣深くに突き進んで前線のルイス・スアレスにパスを送ると、ここからディエゴ・ゴメスにダイレクトに渡り、ダメ押しの1点が生まれた。

データ専門メディア『WhoScored.com』によれば、ボールタッチ数は両チーム最多の89回を数え、シュートは4回(枠内2回)、パスも最多67本で成功は55本、キーパスは4本、ドリブルは3回(成功1回)というスタッツを記録したメッシの90分間のプレーに、ヘラルド・マルティーノ監督は賛辞を贈っている。
「レオは自由にプレーし、どれもが正確だった。プレーはスピードに溢れ、世界中のどの選手にも見られないものを持っている。相手ゴールの遠いところからでもボールを運べるし、それが最終的にゴールチャンスにつながる予感を周囲にもたらしてくれる」

メッシ自身は試合後、SNSで「勝利でスタート!!」とチームの一員としての喜びを表わした。英国の高級紙『The Guardian』は「メッシはシーズン中盤の時と同様の調子を保ち、相手DFの間を駆け抜け、味方の得点を演出。FKとCKのキッカーを務めて再三ゴールに迫るなど、満員の観衆が見たいものをほぼ全て提供した」と絶賛した。

MLSのコミッショナーであるドン・ガーバー氏は、「世界中の注目がインテル・マイアミに集まっている。人々が抱くあらゆる期待に対して、彼らが応えられることを願っている。メッシの経験が良いものとなってチームを成功に導くこと、そして彼らがリーグ内だけでなく、世界でもその地位を確立することが重要だ。それは我々にとっても、最も重要なストーリーである」と、スーパースターへの期待を語っている。
スペインのスポーツ紙『MARCA』は、昨季はプレーオフ進出すら叶わなかったインテル・マイアミが、メッシ加入の後、バルセロナでの盟友セルヒオ・ブスケッツ、ジョルディ・アルバに加え、ルイス・スアレスを加えたことで、今季は「大本命」としてシーズンをスタートさせ、「メッシがいつものように輝きを放った」と伝えた。

また、米国における「メッシ効果」にも改めて注目。今オフにインテル・マイアミが米国国内やエルサルバドル、サウジアラビア、香港、日本でツアーを行なって大きな話題を集めて「何百万ドルも稼いだ」こと、メッシの加入後にクラブの価値が6億ドル(約910億円)から10億3000万ドル(約1560億円)に増加し、収益が1億2000万ドル(約180億円)を超えたこと、そしてインスタグラムのフォロワー数が100万人から1600万人に増加したと紹介している。

スポーツ専門チャンネル『ESPN』は、「バルサでメッシと6シーズンに渡って共にプレーしたスアレスが新たに加入したことで、南フロリダのチームには、MLSの歴史で最も得点力が豊かなチームになる大きな期待がある」と、白星スタートを切った新生インテル・マイアミを評した。
しかし一方で同メディアは、開幕戦の後半に守勢を強いられ、幾度もピンチを迎えたことにも言及。「メッシとスアレスが守備に消極的であることを考えれば、インテル・マイアミが試合の後半も高いインテンシティーを維持することには大きな懸念が存在する。チームが持つスターパワーにもかかわらず、マルティーノ監督は試合を自分のベンチ(選手交代)に強く依存する必要があるだろう」と、まだチームとして安定していないことを強調している。

マルティーノ監督は、「この強力な陣容のチームでプレーを続けることが自信につながる」と経験と継続の重要性を訴えた。『ESPN』は「必要であれば、常にメッシの“魔法”に頼ることができる」との表現で、この絶対的な背番号10が今後もインテル・マイアミの攻撃のキーマンとして、チームの勝敗を左右する存在だと指摘。「メッシがモチベーションを維持して健康でさえあれば、インテル・マイアミのプレーは絶対に見逃せないものとなる」と綴った。

構成●THE DIGEST編集部

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