豪華!七段飾りが3連、平安時代の御所を模した御殿飾りも 桃の節句前に住民らひな飾り 兵庫・三田

実家から見つかった御殿飾りを紹介する酒井佳子さん(右)と裕明さん=三田市上井沢、広野市民センター

 3月3日の桃の節句を前に、今年も広野市民センター(兵庫県三田市上井沢)に豪華なひな人形が飾られた。七段飾りが三つ連なったひな飾りは迫力があり、同館を訪れた人は思わずスマホでパシャリ。多くの市民を楽しませている。(尾仲由莉)

 広野地区まちづくり協議会の吉田孝会長(71)=東野上=が8年前、持っていたひな飾り一式を飾ったことをきっかけに、毎年同協議会が設置している。今年は16日に3時間半かけて搬入や飾り壇の組み立てを行い、17日に2時間半ほどかけて飾り付けを完成させた。ひな人形は地域住民など5軒から寄付された。

 人形は約70体。斜めに切った竹筒の上に載せた「竹びな」や、貝合わせを楽しんでいるような官女たちなど、伝統的な飾り方に縛られない遊び心が感じられる。周りには帯をリメークしたタペストリーや打ち掛けを配置し、背景に折り紙で作った桃の飾り50個以上をちりばめ、一層華やかさを増している。

 手作りの装飾やデザインを担当したのは、自宅でのクリスマスのイルミネーションが好評の酒井佳子さん(67)=加茂。夫の裕明さん(71)とともに、姫路市の日本玩具博物館や丹波市の「丹波・佐治福よせ雛」などを視察し、飾り方を研究してきた。「『人形屋が売りに来たみたい』と言われたことがあって、工夫しなくちゃと思うようになりました」

 今年の見どころは、平安時代の御所を模した「御殿飾り」。酒井さんが実家の整理をしていた1月、2階押し入れの奥から「御殿」と書かれた木箱が見つかった。状態は良く、細かな飾りを修理して、今回の飾り付けに間に合わせた。

 木箱の底に敷かれていた新聞紙の日付が1964年4月8日だったため、飾られるのはおそらく約60年ぶり。酒井さんは「今の人は御殿飾りを知っている人が少ないから、ぜひ見てほしい」と話した。展示は3月16日まで。

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