臨時列車「EL両毛・ELあしかが」が運行 足利駅の出発式に鉄道ファン詰めかける 沿線で関連イベントも

出発の合図を出す(右から)岡崎駅長、早川市長、たかうじ君

 【足利】JR東日本高崎支社は23日、両毛線高崎-足利駅で臨時列車「EL両毛・ELあしかが」を運行した。12系客車4両の前後に貨物などをけん引する電気機関車を連結して同区間を走るのは、今回が初めてという。足利駅で行われた「ELあしかが」の出発式には多くの鉄道ファンが詰めかけ、出発の瞬間をカメラに収めた。列車は1往復で計約600人を乗せ、織物で栄えた両毛地域を走り抜けた。

 閑散期の観光需要を喚起しようと企画。両毛線にちなみ、織物にまつわる仕掛けも盛り込んだ。

 高崎駅が始発駅の「EL両毛」は、各停車駅で社員によるお出迎えなどのおもてなしを受けながら、足利駅に到着した。

 同駅から高崎駅へ折り返す「ELあしかが」は、現役を引退しイベント用の列車として活躍する「EF65形」が先頭でけん引。正面には、市内の専門学校生がデザインした藤の花のヘッドマークが飾られた。

 出発時刻の午後5時50分になると、足利銘仙を着た足利駅の岡崎真弓(おかざきまゆみ)駅長、駅長服姿の早川尚秀(はやかわなおひで)市長らがホームで出発の合図を出した。列車は大勢の観客に見守られ、高崎駅に向かった。

 岡崎駅長は「夜の出発式は初めての経験。(銘仙柄の)行灯(あんどん)を置くなどの工夫をお楽しみいただけたのでは」、早川市長は「鉄道ファンが多く集まってくれて感激した」と話した。

 この日、足利駅北口前広場では「あしかがELフェス」が開かれた。両毛線沿線の自治体の名産品や鉄道グッズの販売、クイズラリーなどが行われ、日中から夜にかけてにぎわった。

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