「ディア・ハンター」出演の米俳優「稀な脳疾患」76歳で死去、4年間闘病 ウルヴァリンのキャラにも影響

米俳優ポール・ダマトが死去した。76歳だった。

1978年のベトナム戦争映画『ディア・ハンター』でロバート・デ・ニーロと共演、ベトナム帰還兵を演じ、同作での結婚式のシーンがよく知られているポール、その他に法廷ドラマ『ロー オーダー』では様々なキャラクターを演じていた。

家族はポールが稀な脳疾患に侵され、4年間の闘病の末、19日に亡くなったことを発表。妹のアンドレアさんと婚約者のマリナ・レさんが遺された。マリナさんはハリウッド・リポーターに対し、病気と「懸命に」闘ったポールは「最高に素敵で優しい男」だったと語っている。

一方1977年にアイスホッケーのコメディ映画『スラップ・ショット』でポールと共演したスティーブ・カールソンは「ご冥福をお祈りいたします。ポール・ダマト」「家族、ご友人、俳優の皆様に心よりお悔やみ申し上げます」とXに綴っている。同映画でポールが見せたフック博士の演技は、漫画『X-MEN』のキャラクター、ウルヴァリンにインスピレーションを与えたとされており、漫画家のジョン・バーンは、「彼(ポール)にはその風貌があったんだ。クレイジーな目をしていた。ウルヴァリンにはそれが必要なんだ」と語っていた。

マサチューセッツ州ウースターで生まれ、同州スペンサーで育ったポールは、14歳頃から舞台の裏方として働き始め、それが俳優になるきっかけとなった。俳優兼アスリートでもあり、エマーソン大学在学中は演劇制作に携わる傍らアイスホッケーチームに所属してもいた。また、慈善ゴルフトーナメントやスポーツの集まりにも出て、エンフィールド・トーナメントでは約10年間プレーし、奨学金のための資金集めもしていたが、晩年は、バーモント州のスキーショップでブーツのフィッターとして働いていた。

(BANG Media International/よろず~ニュース)

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