自販機でおすすめジュースを選んでくれる元競走馬が話題 情報発信の理由…「引退馬の第2の人生、魅力を伝えたい」

自動販売機の前にいるのは、同じぐらい体が大きい元競走馬。鳥取県大山町にある乗馬センターにいる馬が、自販機にお金を入れると、おススメの飲み物を選んで買ってくれるということで話題になっています。
こうした情報を乗馬センターが発信するのには、引退馬の活躍を知ってもらいたいという思いがありました。

鳥取県大山町にある大山乗馬センター。
ここには30頭以上の馬が暮らしています。

そのなかの1頭、アカカゲくん・4歳。元競走馬ですが、ケガをしたことで引退し、1年ほど前に乗馬センターにやってきました。

そんなアカカゲくんには、ある変わった特技があります。
それが…

「アカカゲ、コーヒーをお願いします」

自動販売機の前に立つ乗馬センターのスタッフとアカカゲくん。
スタッフがコーヒーをお願いすると、アカカゲくんが自動販売機のボタンを器用に鼻で押しました。
するとドリンクが…ゴトン。

この動画が可愛すぎるとSNSで話題に。さらに、この自販機メーカーの公式アカウントからもリアクションが…

ポッカサッポロフード&ビバレッジのSNS
「大山乗馬センターさんご愛顧いただきありがとうございます。アカカゲというお名前なので、赤と黒の格子のパッケージの加賀棒ほうじ茶をオススメします」

ところで、アカカゲくんはどうやってこの特技を身に着けたのでしょうか。

大山乗馬センター 實松喜美恵さん
「あれは覚えたというか、たまたま自販機の前を通りかかったときに、買ってくれるんじゃないかなっていうことで、お金を入れて押してもらったら、本当に上手に買ったという」

始めは偶然かと思いましたが、今ではすっかり、ボタンを押したらジュースが出ることを理解しているようです。

ということで、小崎キャスターもアカカゲくんにドリンクを注文してみました

小崎キャスター
「風が強いので、温かい飲み物をいただきたいです」

慣れた様子で、一瞬の迷いもなくボタンを押したアカカゲくん。

選んでくれたのは…キンキンに冷えたエナジードリンクでした。

続いて、カメラマンが挑戦してみると…

カメラマン
「アカカゲくん、僕はコーヒーが欲しいです」

アカカゲくん、大きく頷きました。そして選んでくれたのは…

カメラマン
「ゼリーをもらいました」

ひとりひとりに、アカカゲくんおすすめの違うドリンクをしっかり選んでくれているようです。

こうした馬たちの様子をSNSで発信するのには、乗馬センターに足を運んでもらいたいという思いに加え、スタッフのこんな思いがありました。

大山乗馬センター 實松喜美恵さん
「年間何千頭も競走馬の世界にデビューする馬がいるということは、それだけの数の引退馬が出るということで、その引退馬のほとんどが行き先がないという。いま日本全国でも引退馬の再調教をしながら、第2の人生を歩ませてあげようという活動が増えてきています」

50年以上の歴史がある大山乗馬センターは、オープン当初から引退馬の受け入れを続けていて、今ではほぼすべての馬が引退馬です。
馬たちの普段の様子をSNSで発信することで、多くの人に馬の魅力を知ってもらいたいと話します。

大山乗馬センター 實松喜美恵さん
「馬がこうやって皆さんに見てもらえて、色んな事ができるよっていうことが世の中の皆さんに分かっていただくと嬉しいです」

アカカゲくんは、きょうもみんなにおススメのドリンクを選んでいます。

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