デュラントを"口撃”するバークレーを、第3者のアリナスがチクリ「自分がどのチームを牽引していたのか教えてほしい」<DUNKSHOOT>

ケビン・デュラント(フェニックス・サンズ)は、言わずと知れた現代NBAを代表するスーパースターの1人だ。オールスター期間中に殿堂入り選手のチャールズ・バークレーが「リーダーじゃない」と揶揄したが、元NBA選手のギルバート・アリナスは逆に、キャリアで“無冠”に終わったバークレーを批判している。

デュラントはドラフト全体2位指名でNBA入りした2007年から17年間で、得点王を計4回獲得するなど歴代10位の通算2万8268得点、シーズンMVP1回、オールNBA1stチーム選出6回、NBA75周年記念チーム選出など、数々の功績を築いてきた。

一方で、キャリアをスタートさせたオクラホマシティ・サンダーでは9年間の在籍で頂点に手が届かず(2011-12シーズンのNBAファイナル進出が最高)、16年夏にゴールデンステイト・ウォリアーズへ移籍。17年と18年に2年連続でリーグ優勝&ファイナルMVPを獲得したが、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンを軸に、前年に史上最多の73勝をあげたチームへの移籍には批判も噴出した。

その後、移籍したブルックリン・ネッツでもカイリー・アービング(現ダラス・マーベリックス)やジェームズ・ハーデン(現ロサンゼルス・クリッパーズ)と共闘しながら結果を残せず、トレードを要求して23年2月からサンズの一員となった経緯がある。
そのなかで、2月18日(日本時間19日)にインディアナポリスで行なわれたNBAオールスターゲームの『TruTV』放送中に殿堂入り選手のバークレーがデュラントに対して語った発言が大きな話題となった。

「ケビンはフォロワーだ。リーダーじゃない。彼が所属した全チームでそれが証明されている。(デビン)ブッカーも素晴らしい選手だ。彼(ブッカー)がイニシアチブを取り、サンズを次のレベルに導いてくれると思う。ボストン(セルティックス)に関しても同じことを言ったけど、誰か1人が前に出ないといけない。フェニックスが成功を収めるためには、ブッカーが牽引しなければならないんだ」

デュラントは自身が共同設立したメディア会社『Boardroom』で、自らのリーダーシップが評価されない理由について、「俺はほかの選手たちほどカリスマ性はないし、テレビ向きの性格でもない。自分のやっていることを十分にアピールしていない」と語りつつ、「俺は人々にリーダーと呼ばれたいわけじゃないけど、リーダーじゃないとも言われたくない。みんなは、俺の意図や、チームメイトやサポートしてくれるスタッフたちと築いてきた関係を見ていないからね」と応戦した。 サンズのフランク・ヴォーゲルHC(ヘッドコーチ)も、「彼は模範を示し、必要な時には発言もする。どの選手も自分のやり方でリードする。自分の個性の中でやるんだ。個性が違うから、自分とは違う誰かになることはできない」とデュラントを擁護している。

そういった一連の報道を受け、元NBA選手のアリナスは自身がホスト役を務めるポッドキャスト番組『Gil's Arena』で、デュラントに苦言を呈したバークレーをチクリと口撃している。

「フェニックスで優勝を争っていた時、彼はリングを手に入れられなかった。そして、ヒューストン・ロケッツへ行き、(シカゴ・ブルズの)マイケル・ジョーダンを倒そうとした。彼ら(ロケッツ)が失敗したのは、彼(バークレー)がオーバーウエイトで、コンディションが落ちていたからだ。それを他人のせいにして、みんなの文句を言ってたんだ。誰かのことをリーダーではなく、『フォロワー』と呼ぶ時は、自分がどのチームを牽引していたのか教えてほしい」
バークレーは1992年オフに8年間を過ごしたフィラデルフィア・76ersを離れてサンズへ移籍。初年度の92-93シーズンにはNBAファイナルに進出するも、ジョーダンを擁するブルズに敗れ、96年オフに新天地を求めることになった。その後ロケッツでも頂点に届かず、最終的にNBAタイトルとは無縁のまま16年間のキャリアを終えている。アリナスはその点に鋭く切り込んでいる。

「サンズのベストプレーヤーだった彼は、リーダーではなかった。あのチームにはすでにキャプテンがいて、彼が加入する前にチームとして確立されていた。しかしフィラデルフィアを見捨てて、リングを勝ち獲ろうとした。デュラントに恨みでもあるのか? まずは自分自身のクソみたいなキャリアを振り返ってみることだ」

バークレーは“無冠のレジェンド”の代表格として、痛いところを突かれる形となってしまった。

構成●ダンクシュート編集部

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