みなと銀行大久保駅前支店(兵庫県明石市大久保町駅前1)のスタッフが特殊詐欺被害を同じ日に2件防いだとして、明石署は22日、感謝状を贈った。(領五菜月) ### ■「暗証番号などは絶対に教えないで」
同店などによると、昨年12月11日午後3時過ぎ、市内の女性(81)が友人と一緒に同店を訪れた。「カードが不正利用されたとの電話があった。暗証番号を聞かれた」という。閉店後だったため、行員は当初インターホン越しに対応していたが、詳しく話を聞く必要があると感じ女性を店内に招き入れた。
スタッフの岡田美那子さん(36)は「電話で」「暗証番号」というキーワードに詐欺を確信。女性に伝えて、110番通報した。
明石署員が同店に到着して、女性から聞き取りをしているちょうどその時、同店に1本の電話がかかった。市内に住む別の女性(81)からで「銀行協会から電話があった。暗証番号の変更をしたい」というものだった。
詐欺を疑った岡田さんは女性に「暗証番号などは絶対に教えないで」と伝え、同店を訪れていた署員に相談。別の署員が女性宅を訪れて被害を未然に防いだ。
岡田さんは「詐欺の被害に遭ってしまったら、きっと精神的にショックを受ける。お金はもちろん心も守れてよかった」。同支店長の小谷幸弘さん(49)は「これからも被害を出さないよう意識してお客さんと接するようにしたい」と話した。