リーグ連覇の下馬評高いのは阪神、それでもヤクルトは「不気味な存在」

リーグ連覇を狙う阪神の前評判が高い。強力な投手陣をそろえ、野手も大山悠輔、近本光司、中野拓夢、佐藤輝明と全盛期を迎える選手がそろっている。独走を阻止する対抗馬が注目される中、不気味な存在がヤクルトだ。

「投手陣が整備されれば、優勝争いのダークホースになる可能性」

「投手陣が生命線と言われる現代野球でヤクルトは異色のチームです。2021、22年とリーグ連覇した時に2ケタ勝利を挙げた投手が1人もいなかった。決して投手力を軽視しているわけではないのですが、救援陣をそろえて打ち勝つ野球で白星を重ねてきた。23年シーズンは村上宗隆、山田哲人の打撃不振が響いて5位に沈みましたが、この2人が復調して得点力が大幅に上がれば、チームがガラッと変わる。投手陣が整備されれば、優勝争いのダークホースになる可能性があります」(スポーツ紙デスク)

先発陣は小川泰弘、高橋奎二が左右のエースとして2ケタ勝利がノルマになる。サイスニード、ロドリゲス、小澤怜史、吉村貢司郎のほか、ベテランの石川雅規、ドラフト1位の西舘昂汰、2位の松本健吾も先発ローテーション入りを目指す。さらに、故障からの復活を期す奥川恭伸、原樹理が輝きを取り戻せば一気に厚みが増す。西武からトレード移籍で加入した宮川哲の起用法も注目される。

野手陣でカギを握るのが、山田哲人だ。トリプルスリーを3度達成と前人未到の記録を樹立したが、近年はコンディション不良もあり不本意な成績が続いている。昨年は105試合出場で打率.231、14本塁打、40打点、4盗塁。好調を持続できず、得点圏打率.200と好機でブレーキになる場面が目立った。3番が定位置だが、精神的な負担を軽くするためにも下位打線に据える可能性がある。高津臣吾監督がチームをどう立て直すか。

(中町顕吾)

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