長崎・浦上天主堂で「如己愛人」揮毫 ウクライナ侵攻2年 宗教を越えて世界平和願う

平和を願い「如己愛人」などの文字を揮毫したイベント=長崎市、浦上天主堂

 ロシアのウクライナ侵攻から2年になるのを前に、宗教の垣根を越えて世界平和を願うイベントが23日、長崎市本尾町の浦上天主堂であった。大分市在住の書家、松本重幸さん(63)が故永井隆博士の言葉「如己愛人」などを揮毫(きごう)し、県宗教者懇話会のメンバーらがメッセージを寄せ書きした。
 名古屋市の任意団体「和プロジェクトTAISHI」(宮本辰彦代表)が天皇誕生日に合わせて企画し5回目。神戸市ではユダヤ教のイスラエル人、愛知県津島市ではイスラム教のパキスタン人らが集まり、それぞれの場所でウクライナ侵攻やイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の早期終結、能登半島地震の被災地復興を願った。
 松本さんは、縦1.2メートル、横4.5メートルの紙に「如己愛人」と力強く書き上げた。今年の干支(えと)「辰(たつ)」にちなみ「龍」や「和」の文字もしたため「心に平和の思いを持って、個々が手を取り合い、平和を願って伝え合ってほしい」と話した。
 広島県から観光で訪れた八木康雄さん(49)は「宗教ごとに考えは違うと思うが、他者を排除するのではなく、お互い認め合えばもっと世界は平和になると感じた」と語った。

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