●被災地入り2度目
岸田文雄首相は24日午前、能登半島地震で甚大な被害を受けた穴水町を初めて訪れ、避難生活を送る住民と意見交換した。被災者に「政府の支援を一層拡充しなければならない。共に力を合わせて平時の生活を取り戻すべく努力したい」と強調。直接意見を聞いて、今後の生活、なりわい再建や復旧・復興に向けた支援策に反映させたい考えだ。
岸田首相の被災地入りは1月14日に続き、2回目。自衛隊機で能登空港に到着した首相は、避難所として利用されている穴水町さわやか交流館プルートを訪問し、避難生活やボランティアの活動状況について説明を受けた。
避難者にも話を聞き、馬渡秀男さん(75)から仮設住宅の建設数が足りないと指摘されると「なりわいを取り戻すためには住居は基本であり、財政的に心配があってちゅうちょしてはならない。しっかり支える」と説明した。
喫茶店を営む松村公子さん(69)は飲食業の厳しい状況を説明し、さらなる支援を求めた。首相は「貴重な声を聞かせてもらった。持ち帰って対応する」と応じた。馳浩知事や西田昭二総務政務官が同行した。
●予備費追加表明へ
首相は午後、輪島市を回り、大きなひび割れ被害が出ている国名勝「白米(しろよね)千枚田」や輪島キリコ会館多目的広場に整備された応急仮設住宅、海底が隆起して漁船が出港できなくなっている輪島港、火災で多くの建物が焼失した「輪島朝市」などを視察。農林水産業や伝統工芸産業の関係者と車座対話を行う。今年度予算から追加で予備費1千億円超を支出する方針も表明する見通し。