2025年にフェラーリへ移籍するハミルトン。その理由にフレデリック・バスール代表の存在を認める

 2025年にスクーデリア・フェラーリへ移籍することが決まっているルイス・ハミルトン(メルセデス)は、自身が移籍を決めた理由のひとつとして、フェラーリのフレデリック・バスール代表の存在があると認めた。

 メルセデスがハミルトンのフェラーリ移籍に対してヒートアップした議論を行うことを避けていた一方で、ハミルトンはFIAプレスカンファレンスという公式の場にて気軽にその話題を認め、「僕はフレッド(フレデリック・バスール代表)と、以前からいい関係を築いているよ」と語った。

「F3からGP2まで、F1に上がる前に良い成績を残し続けてきたころから、僕たちの関係はスタートしているんだ」と語り、会見の参加者へ向けて自身の過去を伝えた。

2024年F1バーレーンテスト プレスカンファレンスに出席したルイス・ハミルトン(メルセデス)(左)

 ハミルトンは、F1を目指してフォーミュラカーレースのカテゴリーをステップアップしていくなかで、バスールの創設したASMおよびARTグランプリチームからレースに参戦してタイトルを獲得してきている。

「それからというものの、僕たちはつねに連絡を取り続けてきた。そしてその当時でさえも、彼(バスール代表)がいつの日かF1界で素晴らしいチームリーダーになるのだろうと感じていた。昔の彼は、あんまり興味がないようだったけどね」

「だから、彼がアルファロメオに入った時には、良い考えだと心から感じたし、その後にフェラーリに移籍した時には僕自身もそのことを嬉しく思った」と、F1参戦前の恩人でもあるバスールへの想いを口にした。

GP2時代のフレデリック・バスール(ARTグランプリ/左)とルイス・ハミルトン(同/右) 2006年GP2第5戦モナコ

「つまりは、移籍するという決断に至るだけの星が揃ったということだろう。バスールがいなければ、この移籍が起こらなかったことは間違いないし、僕は彼のいるチームでふたたび走ることができるということに、感謝しているとともにとても楽しみにしているよ」

 記者からの、フェラーリに移籍するということは昔からの夢だったのではないかとの問いかけには、疑いもかけず次のように答えた。

「僕だけじゃなく、すべてのドライバーがフェラーリで走るミハエル・シューマッハーに憧れながら育ったはずだよ。彼が走っているレースの映像を見ながら、『あの赤色に包まれたコクピットに座ったら、どんな気分になるのだろう』と、誰もが夢見たはずだね」

2004年にはフェラーリでタイトル5連覇を成し遂げたミハエル・シューマッハー(フェラーリ)

 ただ、フェラーリは2007年のキミ・ライコネンを最後にドライバーズタイトル獲得から遠ざかっている。ハミルトンもその点を強く意識しているようで、次のように締めくくった。

「フェラーリは、ミハエル(・シューマッハー)の時代から、2007年の活躍(キミ・ライコネンのタイトル獲得)を最後に、大きな成功を収めることができていないことは確かだ。僕は、この移籍が大きな挑戦であると思っている。それでも、イタリアのティフォシ(イタリア語で熱狂的なファンのこと)たちには畏敬の念を抱いているし、子どものころからの夢が叶うのだから、フェラーリで走るのは今からとても楽しみだ」

2024年F1バーレーンテスト ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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