鹿児島ファンが増えるかな…1000万円かけて開発した乙女ゲーム「うたなつ」、アイデアは県の若手職員チーム 26日から配信

スマートフォン向けゲームアプリ「うたた往時のなつかしや」(鹿児島県提供)

 鹿児島県は26日、鹿児島の歴史や観光をテーマにしたスマートフォン用ゲームアプリの配信を始める。鹿児島地域振興局の若手職員らでつくるワーキンググループ(WG)が発案した。主人公の高校生が戦国武将と仲を深めながら成長するストーリーで、ゲームを通じて鹿児島ファンの獲得を目指す。開発費は約1000万円。

 タイトルは「うたた往時のなつかしや(略称・うたなつ)」。鹿児島三大行事に数えられる「妙円寺詣り」に参加した女子高校生が突如、戦国時代の鹿児島にタイムスリップ。島津義弘らと親交を深め、歴史の改変を試みる現世からの転生者に立ち向かう-。

 こんな設定でゲームは始まる。架空のキャラクターを含む島津家家臣ら12人が登場。主人公は鹿児島の歴史や文化に関するクイズを解きながら仲間を集め、現代への帰還を目指すという物語だ。

 ジャンルは「乙女ゲーム」と呼ばれる恋愛ゲーム。敵との戦いは自動で操作され、戦国武将とのやり取りを楽しむストーリー性を重視している。登場キャラの声の吹き替えは、オーディションで選ばれた「総合学園ヒューマンアカデミー鹿児島校」(鹿児島市)の学生らが務めた。

 鹿児島地域振興局と管内自治体(鹿児島市、日置市、いちき串木野市、三島村、十島村)の20~30代の男女約20人で2021年度に立ち上げたWGが、時代設定や登場人物などのコンセプトを練った。22年度に鹿児島市のゲーム開発会社に委託し、2年かけて完成した。

 メンバーは21日、出来栄えを確かめた。同局総務企画課の有薗眞主事(30)は「鹿児島の魅力を若い世代に知ってもらうきっかけにしたい」、高風皓世主事(25)は「交流サイト(SNS)でバズって」と期待した。アプリ配信サービス「グーグルプレイ」や「アップルストア」で無料でダウンロードできる。

配信前に、ゲームを体験する県職員=21日、鹿児島市小川町の鹿児島地域振興局
「往時のなつかしや」をアピールする鹿児島地域振興局の林田優也主事=21日、鹿児島市小川町の鹿児島地域振興局

© 株式会社南日本新聞社