「距離の富山」全3種別入賞 国スポ・スキー、リレー 成年男子V、女子6位、少年男子8位

成年男子距離40㌔リレーで優勝した富山。アンカー・廣瀬選手(左)にタッチする第3走者・山下選手=山形県上山市の上山・坊平高原クロスカントリー競技場

 山形で開催された国民スポーツ大会のスキー競技会で、富山の距離陣が華々しくフィナーレを飾った。最終日の24日、距離リレーで成年男子が優勝し、女子は6位、少年男子は8位と三つの種別全てで入賞を果たした。全国舞台で「距離の富山」の力を示し、選手やスタッフはさらなる競技の発展へ意気込んだ。

 ▽成年男子40キロリレー(10キロ×4)(1)富山(竹原、山崎、山下、広瀬)1時間37分28秒7

 ▽女子20キロリレー(5キロ×4)(6)富山(山崎、山本、宮崎、宮木)59分13秒5

 ▽少年男子大回転 (36)浦海斗(魚津工高)24秒19(68)辻唯人(砺波工高)24秒82(74)中川大陸(砺波工高)24秒97(120)中窪七翔(城端中)26秒15(132)川畑亮(新川高)26秒35、松井亮(雄山高)=途中棄権

 ▽同40キロリレー(10キロ×4)(8)富山(三島、坂大、大瀬、宮田)1時間57分33秒1

 

  ●天皇杯は7位

 富山はスキー競技の天皇杯順位(男女総合成績)で7位(51点)に入った。天皇杯の入賞は5大会連続。皇后杯順位(女子総合成績)は10位(16点)だった。東瀬義人総監督(県スポーツ協会専務理事)は「選手のパフォーマンスを支えるバックアップ態勢もしっかりしていた」と話した。大回転、距離、ジャンプでいずれも入賞を果たし、得点を稼いだ。

 距離は22年北京五輪日本代表の廣瀬、山下両選手が県勢を引っ張り、アルペン大回転は高校1年生の清利葵乃(砺波工)、上野香晴(富山一)両選手が伸びしろを感じさせた。

 スキーにスケート、アイスホッケーを含めた、冬季大会全体の富山の天皇杯順位は18位(88点)、皇后杯順位(女子総合得点)は15位(43点)となった。

 

  ●世界知る最強布陣、堂々 成年男子 

 アンカー廣瀬崚選手(長田組)は迫力の滑りでゴールすると、両手を突き上げて天を仰いだ。はじけんばかりの笑顔を見せ、先に走り終えた3選手と抱擁。「優勝を達成できたのはサポートの力と、一緒に走ってくれた3人のおかげ」。堂々の頂点に感謝の思いがあふれた。

 「最強布陣」を組んだ富山。廣瀬選手、山下陽暉選手(自衛隊)のオリンピアン2人に、U23世界選手権を経て参戦した山﨑大翔選手(早大3年)と、全日本選手権で上位に食らい付く竹原義之選手(野口営農組合)。誰もが優勝しか見ていなかった。

 先陣を切る最年長27歳の竹原選手は「僕が失敗しなければ勝てる」と緊張感とプレッシャーを感じながら奮闘して7位と粘り、山﨑選手は隙のない滑りで「積極的にタイム差を縮められた」と区間2位の快走で全体5位に。山下選手は圧巻の滑りでラスト1キロ地点でトップに立ち、廣瀬選手が「自分がチームを引っ張る。この自覚を滑りに乗せられた」と役割を果たした。

 「一つになる雰囲気が一番良かった」とたたえた小川耕平監督。それぞれが力を出し、山下選手は「自分たちの頑張りが富山の盛り上がりにつながるのはうれしい」とにっこり。世界で戦う選手たちが心を合わせ、チーム富山の底上げに大きな仕事をした。

 

  ●アンカー宮木、ラストランに涙 女子 

 3年連続女子アンカーの宮木真帆選手(日大4年、雄山高OG)が「ラストラン」となった。順位を上げられず申し訳なさが募ったが、後輩3人から感謝の言葉をもらい「やってきて良かった」と涙があふれた。

 昨年と同じメンバーで臨み、山﨑彩羽選手(南砺平高2年)、山本茉由子選手(南砺福野高3年)、宮﨑美樹選手(早大1年)、宮木選手とつないだ。後輩たちに「一緒に滑ってほしい」と言われ、出場を決めた宮木選手は「最後に富山県選手団として活動できたのが楽しかった」と充実した表情を見せた。

 

  ●2人抜き宮田「自信になった」 少年男子 

 少年男子は1走・三島大橙選手(南砺平高1年)、2走・坂大芳輝選手(雄山高3年)、3走・大瀬優貴選手(南砺市平中3年)、アンカー宮田敦生選手(南砺平高1年)が入賞に滑り込んだ。10位から2人抜いて8位とした宮田は「自信になった」と喜び、さらなる成長を誓った。

距離リレー女子で6位入賞を喜ぶ(左上から時計回りに)宮木、山本、宮﨑、山﨑の各選手=山形県上山市の上山・坊平高原クロスカントリー競技場
距離リレー少年男子で8位の富山チーム。(左上から時計回りに)坂大、大瀬、宮田、三島の各選手=山形県上山市の上山・坊平高原クロスカントリー競技場

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