V長崎 開幕戦は藤枝とドロー 序盤硬く、後半は修正 サッカーJ2

【藤枝-V長崎】後半41分、V長崎の松澤が相手を交わしてシュートを放つ=静岡県藤枝市、藤枝総合運動公園サッカー場

 明治安田J2第1節第1日(24日・藤枝総合運動公園サッカー場ほか=3試合)昨季7位だったV・ファーレン長崎は昨季12位の藤枝と0-0で引き分け、2021年シーズン以来の開幕戦白星はならなかった。
 V長崎はなかなか主導権を握れず、押し込まれる展開が続いた。前半13分にはポスト直撃のシュートを浴びた。徐々にボールを保持する時間を増やすと、32分に米田の左クロスから名倉がゴールに迫った。
 0-0で入った後半は序盤から優位に試合を進めた。敵陣で奪ってからのカウンターなど波状攻撃も仕掛けた。選手を入れ替えて活性化を図り、終盤の41分に途中出場の松澤が左サイドからシュートを放つなど好機をつくった。最後までゴールは奪えなかったが、何度かあったピンチを堅く守りきった。
 1年でJ1復帰を目指す横浜FCは山口と1-1。水戸はいわきに1-0で競り勝った。
 第1節最終日は25日、各地で7試合を実施。第2節は3月2、3日、各地で計10試合が行われ、V長崎は2日午後1時から諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で仙台とのホーム開幕戦に臨む。

◎松澤 切れ味鋭く好機演出

 選手、監督、サポーターの誰もが待ち望んでいた開幕戦。V・ファーレン長崎は勝利で飾ることができず、勝ち点1にとどまった。J1昇格を目指すチームの出発点としては物足りない結果。ただ、下平監督は悔しさをにじませつつも「無失点で終えたこと。後半に多くの好機をつくれたことはポジティブに捉えたい」と前を向いた。
 アウェーで迎えた開幕戦独特の雰囲気や緊張感からか、序盤は硬さが目立った。藤枝のマンツーマンのハイプレスにも苦しみ、思い通りに攻撃を組み立てられない。フアンマを目がけたロングパスのセカンドボールも拾えない。前半の絶好機は、32分にカウンターから名倉がゴールを狙った場面だけだった。

【藤枝-V長崎】前半26分、V長崎の加藤(左)がクロスを上げる=藤枝総合運動公園サッカー場

 後半は一転、プレスを強め、サイドのスペースを効果的に使うことで攻勢に出た。特に際立ったのは14分に投入された松澤。「相手が疲れているし、チャンスメークを求められていた」という生粋のドリブラーは、1分後に切れ味鋭い突破から好機を演出するなど相手の脅威となり続けた。終盤には決定的なシュートも放った。
 守備では岡野がペナルティーエリアで体を投げ出してシュートを阻んだ。加藤もスライディングでピンチの芽を摘んだ。絶対に最後の仕事をやらせない。そんな気持ちの入ったプレーが続いた。
 決して納得いく内容ではないが、しっかりと修正できた後半については、指揮官と選手が「理想の展開」と同じ言葉を口にした。今後は、どれだけその時間を長くしていけるか。次節から仙台、優勝候補筆頭の清水を迎え撃つホーム2連戦。開幕戦の反省を生かし、大観衆の期待に応えたい。

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