25年卒の就活、来月から本格化 山形労働局職員「得られる情報量違う」

対面での合同企業説明会の重要性を話す美濃谷孝明さん=山形市・山形労働局

 来年2025年春に大学などを卒業する学生の就職活動が3月1日から本格化し、県内に職場がある企業の合同企業説明会が山形市などで相次いで開かれる。就職支援や説明会の企画運営を担当する山形労働局の職員は「学生はオンラインで企業情報を多く得られるようになったが、対面だと得られる情報量が違う」と説明会の重要性を指摘し、積極的な活用が有効だと話している。

 新卒学生の就職活動は大学3年の3月に企業の広報活動が解禁され、6月に採用選考が始まる。正式な内定日は10月以降となっている。インターンシップの拡大により実質的には早期化しているが、同局職業安定課の美濃谷孝明さんは「本格化するのはやはり3月。出遅れた学生にとっては、取り戻す最後のチャンス」と解説する。

 若者世代はインターネットでの情報収集に慣れ、新型コロナウイルス禍を経て人とのやりとりもオンライン化が進んだ。就職活動でも学生には交流サイト(SNS)も含めてオンラインで多くの情報が届く。学生は大企業だけでなく魅力ある地域中小企業が発信する情報にも目が向きやすい状況だ。売り手市場でもあり早期に就職活動を終えるケースもあるが、ミスマッチによる離職も課題。美濃谷さんは「ファーストキャリアを大切にするためにも、能動的に必要な情報を得てほしい」と呼びかける。

 人手不足が深刻となっている企業側に対しては、対面だからこそ学生に伝えられる生の声に重点を置く大切さを伝え、近い世代の若手社員が説明会に参加することを勧めている。学生に目を向けてもらうポイントとしては、「徹底して学生目線を持つことが必要」と強調した。

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