子宝に恵まれますように 寒河江・御塞神祭、御神体奪い合う

放り投げられた御神体を取ろうと手を伸ばす参加者=寒河江市平塩

 子宝や無病息災といった御利益を求め、男性器をかたどった木彫りの御神体を奪い合う奇祭「御塞神祭(おさいじんさい)」が24日夜、寒河江市平塩の平塩熊野神社(建部真也宮司)周辺で開かれた。新型コロナウイルス禍の影響で4年ぶりの開催となり、参加者が激しい争奪戦を繰り広げた。

 旧暦の小正月に合わせて平塩地区で行われる伝統行事。御神体は、地元住民らでつくる「一山衆(いっさんしゅう)」が同神社近くで切り出した松の木を同日朝から手彫りし、長さ20~40センチほどの大小約30本を用意した。同神社で入魂の祈とうを行った後、女性をかたどった石塚の御塞神様に奉納し、群衆の頭上に高々と放り投げた。

 集まった人々は福を持ち帰ろうと懸命に手を伸ばし、もみくちゃになりながら御神体を奪い合っていた。御神体を獲得した天童市南小畑の会社員布川敬泰さん(31)は「将来元気な子どもを授かれるといいな」と話していた。

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