衆院長崎3区補選 自民候補に複数が意欲示す 選定が3月にずれ込みも…

 衆院長崎3区補欠選挙(4月28日投開票)の候補者を選考している自民党長崎県連の意向聴取に対し、複数の関係者が意欲を示している。ただ、週明けに党本部に現状報告するものの「すぐに決まる段階ではない」(県連幹部)。今月末をめどとしていた選定が3月にずれ込むことも視野に入れている。
 3区補選は、派閥裏金事件による谷川弥一氏の議員辞職に伴い実施。同時に、前衆院議長の死去に伴う島根1区、東京都江東区長選の公選法違反事件による前法務副大臣辞職に伴う東京15区でも補選が行われる。
 党関係者によると、もともと党本部の見立ては、「保守王国」の島根では議席を守れるが、逆風が強い東京は敗色濃厚。たとえ長崎で候補者を擁立できなくても、明確な勝敗は付かないため“1勝1敗1引き分け”を容認する空気があった。
 ところが、12日までの党の情勢調査で「島根も厳しい」という結果が出た。一方、離島などに根強い党支持層を持つ長崎3区なら勝負できるとみて、“白星なし”を回避するため候補擁立に舵を切ったようだ。
 これを受け、県連執行部は15日以降、3区内の県議らと個別面談したが、意欲的な返事はなかった。その後、ほかの県議や職域・地域支部関係者にも選考枠を広げた結果、支援態勢や補選後の処遇が整うことを条件に、意欲を示す人が複数いた。
 一方、県内の次期衆院選候補を公募した昨年春、茂木敏充党幹事長は「女性」「若さ」を希望。補選でも同様の意向を持っているとされる。県連内には「党本部も独自に候補を探しているのではないか」との見方もある。
 選択肢としては参院からのくら替えも考えられる。県選出議員は、県連会長で2期目の古賀友一郎氏(56)、1期目で3区に地盤がある山本啓介氏(48)の2人がいる。
 県連幹部は26日、党本部で現状を説明する予定。ただ「まだ中間報告の段階」とし、決着までには時間を要するとみられる。
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 補選に向け先行する野党は準備を加速させている。立憲民主党の山田勝彦氏(44)=比例九州=は18日、大村市で最初の総合選対会議を開催。社民党が推薦、共産党は自主的な支援を決めた。日本維新の会から初挑戦する学習塾経営の井上翔一朗氏(40)も、あいさつ回りを始めた。

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