若者の大震災時の体験を次代へ伝承 釜石高で「ユースサミット」

釜石高生と震災伝承などについて語り合う(右から)渡部有南さん、高橋未宇さん、江刺逸生さん

 東日本大震災時に小中高生だった若者の体験を伝える「3.11ユースサミット」は22日、岩手県釜石市甲子(かっし)町の釜石高で開かれた。20代3人が当時を振り返り、被災度合いの小ささから抱いた後ろめたさや車いすでの避難生活、東京電力福島第1原発事故などについて紹介。防災啓発や震災伝承へ「一人一人に何ができるか考え続けることが大切だ」と思いを共有した。

 体験を語ったのは大船渡市出身の臨床心理士江刺逸生(いつみ)さん(28)=千葉県松戸市、陸前高田市の介護職員高橋未宇(みう)さん(24)、福島県南相馬市出身の会社員渡部有南(ありな)さん(23)=仙台市。同校で震災伝承に取り組む生徒や関係者ら約20人に、当時の心情やどう震災と向き合ってきたかなどを伝えた。

 江刺さんは大船渡・一中3年時に被災し「生き残った側の罪悪感」を抱えてきたと吐露。「心理学を学ぶ過程や時間の経過で被災体験と向き合う力がついた」といい、語り部として活動するまでになった。

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