ヘルムート・マルコ、ハミルトンのフェラーリ移籍で「メルセデスF1は弱体化する」と予想

 レッドブルF1のモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコは、2025年にルイス・ハミルトンがフェラーリに移籍することによってレッドブルは影響を受けることはないが、メルセデスは弱体化するだろうと考えている。

 ハミルトンのマラネロへの加入は、F1史上最大のドライバー移籍ともいわれる。ハミルトンは、メルセデスでここまで82勝と6回の世界タイトルという多くの業績を達成してきたが、2024年末でこのチームとの12年間の時代に終止符を打つ。

 しかしながら過去2シーズンは、39歳のレジェンドにとってはこれまでと異なる状況となっていた。F1の新たなグラウンドエフェクト規定の下で、メルセデスが優れたマシンを生み出せず、かつての王者は劣勢に立たされた。

 44戦のなかでメルセデスが制したのは、2022年のブラジルGPでジョージ・ラッセルが挙げた1勝のみだ。

 キャリアの終わりが近づきつつあるハミルトンがフェラーリで目指すのは、F1タイトルをマラネロに取り戻し、自らも再びトップに立つことだ。

2024年F1バーレーンテスト1日目 ルイス・ハミルトン(メルセデス)

 ハミルトンのフェラーリ移籍のニュースが発表された時には多くの人々が驚いた。マルコもそのひとりだ。

「特にそのタイミングに完全に驚いた」と、マルコはオーストリアの『OE24』に語った。「どうしてこんなことが起きたのか不思議に思う」

「2023年シーズン後半にメルセデスはフェラーリに追い抜かれ、マクラーレンも彼らより速かった。おそらくハミルトンは、外の世界がまだ知らない何かに気づいたのだろう」

 ハミルトンの移籍はフェラーリにとっては強力な戦略になるが、レッドブルには何の影響も与えないとマルコは考えている。一方で、メルセデスにとっては大きな痛手になるとマルコは言う。

「我々にとっては何も変わらないが、メルセデスは弱体化すると私は見ている」とマルコは語った。「この動きによってフェラーリがより強くなるかどうかはまだ分からない」

「全体として、株価に至るまで信じられないほどの影響が出ている。こういうことが起こっているのは素晴らしいことだ」

 マルコは、今シーズンのレースウイークにおけるハミルトンとメルセデスとの関わりは、過去とは大きく異なるものになる可能性が高いと指摘している。

「通常このような状況では、新しいチームのことについて考え始めるものだ」とマルコは説明した。「現在のチーム(メルセデス)は、マシンの大きな革新に彼を関与させることはもうできない。彼がそれを(フェラーリに)持っていくだろうからだ」

「F1にとって、この動きはNetflixよりも素晴らしいことだと思う」

2024年F1バーレーンテスト2日目 ルイス・ハミルトン(メルセデス)

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