あふれる「神戸クアハウス」愛 利用者らの惜しむ声、フェースタオルに刻む リニューアルで長期休館へ

一時休館を前に、神戸クアハウスに寄せられたメッセージのパネル。フェースタオルも製作した=神戸市中央区二宮町3

 リニューアルに伴い、3月末から長期休館する温泉・宿泊施設「神戸クアハウス」(神戸市中央区二宮町3)が、長年の利用者や全国のファンから寄せられた「クアハウス愛」あふれる言葉をプリントしたフェースタオルを作った。入り口横には同じデザインのパネルが掲げられ、訪れた人たちの記念撮影スポットにもなっている。(鈴木雅之)

 温泉や神戸ウォーターが天井付近から流れ落ちる水風呂、サウナなどが人気の同施設。地下からくみ上げた飲料水の愛飲家も多く、有料の水くみ場やペットボトル「神戸ウォーター六甲布引の水」の販売などの事業も手がける。ファンも多く、昨年9月に一時休館が明らかになると、交流サイト(SNS)には惜しむ声があふれた。

 タオルは、そうした声を形に残そうと、元々は自身も愛好者の一人だった従業員が製作を企画。昨年12月末からの約1カ月、館内やSNSで「あなたにとって神戸クアハウスとは」をテーマにメッセージを募った。

 「住みたいサウナ」「第二の実家」「体の60%をこの水だけで満たしたい」…。神戸クアハウスをこよなく愛する人たちの言葉が全国から約250件集まり、ほぼ全てを収めてプリントしたという。

 多くのファンにとって、休館後は、施設のリニューアルや水くみ場の利用を心待ちにする日々が続くことになる。神戸クアハウスは2026年の営業再開を目指しているが、悩みの種は近年続く物価高だ。再開に向け、当初の計画や想定を超える事態も予想される。リニューアル後もファンの「クアハウス愛」に応えようと、運営法人の担当者は「多くのハードルがあって確定的な見通しは立っていないが、水事業を含めて継続できる方法を模索していきたい」と話している。

 タオルは1枚2千円。売り切れ次第、販売終了。

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