長崎・五島の2校で閉校式 崎山中と奥浦中 生徒と地域住民が感謝や決意

校歌を斉唱する崎山中の生徒ら=五島市、同校

 生徒の減少に伴い、本年度末で閉校する長崎県五島市立崎山中(竹谷厚則校長、21人)と市立奥浦中(日髙洋子校長、29人)の閉校記念式典が25日、両校であり、生徒や地域住民が思い出を胸に刻んだ。
 いずれも1947年創立。崎山中は計約4800人、奥浦中は計約4千人が卒業した。多い年には400人前後が通った。4月から福江中と統合する。
 崎山中は、厳しい環境でも挑戦を続ける「さっきゃま魂」の理念を受け継ぎ、ヒジキ採りなどの体験活動や伝統文化の継承に努めてきた。竹谷校長は「さっきゃま魂をどこに行っても発揮して楽しい学校生活を」とあいさつ。生徒は校歌を斉唱した後、自主、友愛などの校訓とともに「古き良き伝統を守り続けます」と力強く唱和し、卒業生ら約150人から拍手を送られた。
 奧浦中は創立当時、学校職員や生徒、地域住民が裏山を削ったり、入り江を埋め立てたりして校舎を建てた歴史から「開拓」の精神を守り、勉強やクラブ活動に励み、ロボットコンテスト全国大会では3回優勝した。3年の池村紗羅さん(15)が代表で「地域の方たちの温かい励ましで自分に自信を持てるようになった」と感謝の言葉を述べ、今後の飛躍を誓った。

生徒代表が地域への感謝の思いを語った奧浦中の閉校式=五島市、同校

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