「昔は死球サインあった」元巨人投手告白 自軍選手の死球に「当てられっぱなしだとなめられる」

プロ野球横浜ベイスターズ、巨人などで投手としてプレーした山口俊氏(36)が2024年2月25日に公開したユーチューブ動画で、自身の現役時代に死球のサインがあったことを明かした。山口氏は05年に横浜ベイスターズに入団し、16年オフにフリーエージェント(FA)で巨人に移籍。19年オフにポスティングシステムを利用しメジャーリーグのトロント・ブルージェイズに入団し、21年に巨人に復帰した。

「攻撃の場合は監督からヘッドコーチにサインを」

山口氏は巨人時代の19年に先発ローテーションの柱として15勝をマークし最多勝利のタイトルを獲得した。自己最多となる188個の三振を奪い、防御率は2.91だった。メジャーリーグではわずか2勝にとどまり、巨人復帰後も振るわず2年間で2勝止まりだった。23年3月に現役引退を表明した。

動画では山口氏がサインの出し方や種類などを解説した。

「バッテリー間とか守備のサインは基本ベンチからバッテリーコーチが出す。(守備のサインは)監督がコーチに伝えて、そのコーチがキャッチャーに出す。キャッチャーがそれをフィールドにいる他の8人の選手に伝える。攻撃の場合は監督からヘッドコーチにサインを出して、ヘッドコーチが3塁コーチャーにサインを出す。そして3塁コーチャーがバッターとかランナーにサインを送る」

サインは2月の春季キャンプ中に決まり、ミーティングで監督、コーチが選手たちに伝えるという。これをキャンプ中の練習の中で一通り実践するという。

「『いくんだったらこっちもいくよ』みたいな...」

山口氏は「(サインには)ある程度キーがある」とし、「『ここ触ったら次がサインね』とか。色々な出し方、パターンがある。そのパターンは何通りしかないので、それでバレちゃうと分かるから一気にガラッと変えたりとか。でも基本、細かいサインは『ここ』という時にしか出さない。スクイズを年に何回するかと一緒で、その時にいかにばれないように、ということ」と説明した。

そしてスタッフが「次の打席でこいつに当てろというサイン。これを各球団の中では色々な言い回しであるようなことも耳にしたんですけど、巨人はどうだったんですか?」と問うと、次のように語った。

「僕が入っている時はなかったです。昔の若いころはありました。バッターが打ってるから当てろというよりも、例えば自分のチームの4番バッターが2発デッドボールが当たったりした時に『いくんだったらこっちもいくよ』みたいな戦闘態勢じゃないですけど『当てられっぱなしだとなめられる』みたいなのが昔はあったので、そこで当て返しみたいなのは、昔はサインがありましたね。今は狙って当てることはほぼないと思う」

山口氏は日本球界で通算66勝66敗、112セーブ、25ホールド、防御率3.36を記録した。

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