東京23区は約4人に1人が中学受験!何年生くらいから勉強するの?

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中学受験をする子が増加。何年生から勉強する?中学受験をしない子はどうすればいい?親世代の頃からどんどん変化する学校教育、ついていけていますか?今どきの教育・進学事情や新しい教育用語を、専門家にインタビュー取材します。

<教えてくれた人>
・中学受験界の風雲児 吉田努さん
アップ首都圏中学受験事業本部本部長。難関中学への合格者数を伸ばし続ける名物塾長として「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)等に出演。22年、東京進出を果たし、進学館√+(ルータス)渋谷校を開校。

・ジャーナリスト 宮本さおりさん
夫の米国留学で新聞記者から専業主婦に。帰国後、子育て・教育分野を中心に執筆。『データサイエンスが求める新しい数学力』(日本実業出版社)著者。大学生と中学生の母。

Q まわりで中学受験をする子が増えているけど、実際どうなの?

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A 首都圏の私立・国立中学の受験者数は、9年連続で増加しています

23年度の東京23区内の中学受験率は23%で、約4人に1人が中学受験をしています。教育意識が高いといわれる文京区や中央区など、50%を超えるエリアもあるほどです。関西でも14年ぶりに10%を上回り、中学受験の人気は年々高まっています。
その背景に少子化による教育熱や、周囲がやっているという強迫観念も考えられます。また、近年重視されている英語・ICT・サイエンス分野の教育が公立の中高よりも充実していること、複雑化している大学入試への手厚いサポートに対する期待から、中学受験を選択する保護者も多いです。
これ以外に、調査書の評定(いわゆる内申点制度)の問題もあります。公立中学に進み、難関の公立高校を受験する場合、ある程度高い内申点が必要になります。入試の結果だけではなく、日頃の努力も評価しようという目的で採用されている制度ですが、音楽や体育も含めて全ての教科を満遍なく頑張らなくてはいけません。最近は、得意科目がはっきりしている一点突破型の子も多く、そういう子が十分な内申点を取れるとは限らないため、本人の持ち味や得意分野を伸ばして挑戦できる中学受験を選択するケースも増えてきています。

私立·国立中学の受験者数の推移

リーマンショックで一時期落ち込んだ受験者数も近年は毎年増加。今年は6年生人口の減少で受験者数は減る可能性があるものの、受験率は横ばいとなりそうです。

中学受験をしない子が、高校受験に向けてできることは?

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高校受験というと、中3から頑張ればいいと思いがちですが、実は中1のスタートダッシュが肝心です。最初の定期考査で成績がいいと、それを維持しようと勉強を頑張り、卒業まで上位をキープする子が多いからです。このため、高校受験を考えるなら、小5、小6 で英語や数学の先取り学習を始めておくと良いと思います。低学年のお子さんの場合は、話す、見る、書く、聞く、読む、調べるの6つの能力=「はみがきよし」を育むように心がけると、その後の学力が向上しやすいと思います(吉田さん)。

中学受験をする場合、何年生くらいから勉強するの?

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中学受験の塾に通い始めるのは、新小4(小3の2月)からが一般的です。しかし首都圏、特に東京では入塾時期の低年齢化が進んでいて、新小2クラスまでに入塾する子が約25%います。関西圏と中京圏でも、約3割が新小3クラスから入塾しています。少し遅れて新小5から中学受験をスタートする子も一定数いますが、小5以降に勉強を始めた子の約半数が勉強についていけないというデータも。中学受験を考えるなら、早めに準備を始めた方がいいかもしれません(吉田さん)。

参照:『サンキュ!』2024年3月号「今どきの教育事情どうなってるの?」より。掲載している情報は2024年1月現在のものです。プロップ制作/川村ちゃん 取材・文/宮本さおり 編集/サンキュ!編集部

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