市外から転入の看護学校生に家賃月3万円補助→入学者倍増、人材確保に貢献 鹿児島・薩摩川内市

実技演習に励む川内看護専門学校の学生たち=薩摩川内市の同校

 学生の確保が課題だった鹿児島県薩摩川内市の川内看護専門学校で、今春の入学予定者が前年度からほぼ倍増している。市が新設する家賃補助制度などの効果とみられる。

 同校は川内市医師会立で1学年の定数は40人。定時制2年課程から全日制3年課程の現体制になった2019年度の新入生は20人だった。23年度は他大学の看護学部開設の影響もあり、15人まで減った。一方で卒業生の約6割が市内の医療機関に就職し、看護人材の確保に貢献してきた。

 学生にとってネックとなるのは寮がなく、特に市外から来ると家賃負担が大きいこと。このため学校は市に支援を要望。市は24年度から3年間、市内に転入した学生を対象に毎月3万円までの家賃補助を決めた。学生への直接的な経済支援は全国でも珍しいという。

 学校は本年度、「学生確保推進室」を設置。学校を応援するサポーター制度を導入し、看護師ら約200人が学生へのPRに協力してきた。対策の効果もあり、24年度の入学予定者はこれまでに26人と、前年より11人増加。市外出身12人のうち半数が補助制度を希望している。願書は3月1日まで受け付け中。久保田直子副学校長は「支援策の周知を図り、定数を確保したい」と話した。

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