特集は「花粉症」です。暖冬の影響で早くもシーズン到来。既に症状が出ている人もいます。気になる飛散量や対策のポイント、そして最新グッズを紹介します。また、花粉症を「社会問題」と捉える動きもあり、信大繊維学部発のベンチャー企業が「高性能マスク」を開発しました。
■耐えるしかない…
街の人:
「めちゃくちゃ不安ですね。どうしよう、マスクが手離せない」
「耐えるしかないかなと」
いよいよ本格的な花粉シーズンが到来します。
日本気象協会は県内の飛散開始の時期を南部や中部の一部は2月中旬、北部を中心としたそれ以外の地域は2月下旬と予想しています。
しかしー。
診察:
「目のかゆみもあって?」
松本市の「みのしまクリニック」では2月に入ってから花粉症の症状を訴える人が受診しています。
受診した人:
「既に目と鼻に花粉症の症状きていまして、早めに対策しようということで来ました。薬ですね、目と鼻に効くように、お願いしました」
受診した子ども:
「鼻がムズムズする」
保護者:
「今年、結構早いかなとは思っています」
■飛散のピークは3月中旬頃か
独自に飛散量などを調べているクリニックの蓑島院長。
県外では飛散が始まり微量の花粉に反応する人が出ていると見ています。
松本の飛び始めは例年2月下旬。簑島院長は暖冬の影響でもっと早まるとみています。
日本気象協会の予想では飛散のピークは3月中旬ころ。量は特に多かった2023年より少ないものの、例年に比べ「やや多い」との予想です。
みのしまクリニック・蓑島宗夫院長:
「去年より少ないって聞くとみんな安心するんですが、絶対安心しないで、平年並みっていうのは相当多いですから」
■対策のポイントは
対策のポイントを院長に聞きました。
ポイント(1)外出時は念入りに対策を
みのしまクリニック・蓑島宗夫院長:
「目は花粉対策メガネ、鼻はマスクでカバーしていただくんですけど、髪の毛とか服につけないためには帽子。静電気がおきないような上着の方がいいかなと」
ポイント(2)早めの受診が重要
みのしまクリニック・蓑島宗夫院長:
「花粉の飛び始めから薬を服薬すると、その年は軽く済むという標準的な治療がありますから、まずはアレルギーの飲み薬を今週始めることが大事です。とりあえず受診できない方は薬局で買っていただいてつないでおいて、それから(医療機関に)かかりつけに行ってもいいのかなと思います」
■対策のおすすめグッズは
一方、対策グッズはー
(記者リポート)
「こちらの店ではすでに花粉症対策のコーナーを設けていまして、さまざまな商品が販売されています」
長野駅の駅ビル内にある「ハンズ長野店」は、飛散が早まるとの予想から、例年より1カ月ほど早く特設売り場を設置。
花粉防止メガネや付着をブロックするスプレーなど20種類ほどの商品を販売しています。
おすすめグッズはー。
ハンズ長野店・内山実紀さん:
「当店でイチオシしているのがこちらの、『ノーズマスクピットSEVEN』という品物。ちょっと変わった形ですよね。鼻に入れていただく鼻マスクになります」
2つのフィルター部分を直接、鼻に差し込むもので花粉の侵入はもちろん、鼻水も抑えることができるということです。
(記者リポート)
「これ自体が結構柔らかいので、そんなに違和感がある感じはしないですね、呼吸がしづらいということもないので使いやすいと思います」
ハンズ長野店・内山実紀さん:
「さらにマスクをしていただければ2重にマスクをしているような状態。こういったスプレーとかも使っていただいて、ダブルで使っていただいた方が、不安がなくなるかなと思います」
■最新の高性能マスクも
一方、花粉症を「社会問題」と捉える動きも。
松本市の建設不動産会社「アスピア」の従業員が着用しているのは、一見、普通のマスクですがー。
社員:
「すごく息がしやすくてとてもいい感じです」
「すごく軽くて、息がしやすくていいマスクだと思います。仕事にも集中できるし電話の声も聞き取ってもらえる」
実は、こちら、最新の高性能マスク。実証実験も兼ねて2月から花粉症の従業員40人が着用しています。
■ベンチャー企業が開発
開発したのは信大繊維学部発のベンチャー企業。
ナフィアス・渡邊圭代表:
「フィルターの中にわれわれが研究を続けていたナノファイバー、非常に細い繊維を使ったフィルターが搭載されていまして」
代表の渡邊圭さんは、学生時代から「ナノファイバー」を研究。
大学院を経て2015年に起業し、2022年、高性能マスク「AIR M1(エアーエムワン)」を商品化しました。
■マスクの特徴は
下から吹きあがって見えるのが、ナノファイバーの"糸”。
これがマスクの快適性を高めます。
ナノファイバーで作ったAIR M1のフィルターは、厚みが一般的なもののなんと200分の1。
先が透けて見えるほどです。
(記者リポート)
「すごく軽くて、圧迫感がないです。話していても声が前に通る感覚があります」
花粉やウイルスをブロックしながら、・着け心地が良くストレスが軽減される・通気性が良いことから声が通りやすくメガネも曇りにくいなどのメリットがあります。
■花粉症は「社会問題」
国は2023年、労働生産性の低下などにつながるとして花粉症を「社会問題」と位置づけ、対症療法の促進やスギの人工林を減らすなどの対策に乗り出しました。
ナフィアス・柚木真さん:
「社会、会社で対策していこうという視点を切り替えていくのも大事なことかなと。われわれもその転換していくのを後押ししていけたら」
そこで企業と連携、従業員にマスクを着けてもらって、有効性を検証し、製品の見直しに役立てることにしました。
企業側も花粉から従業員を守る「福利厚生」に加え生産性向上に期待しています。
アスピア管理部・高山彩香さん:
「花粉症対策にかかる時間やコスト面を会社としてサポートできたら。かなりの社員が(花粉症に)苦労しながら働いているということで、少しでもサポートできたら生産性も向上するのでは」
多くの人を悩ます花粉症。
今や個人ではなく社会全体で考える問題となっています。