今後の株価、成長と分配の好循環の実行が大事=経団連会長

Kentaro Sugiyama

[東京 26日 ロイター] - 経団連の十倉雅和会長は26日の定例会見で、株価が今後も堅調に推移していくための条件について「成長と分配の好循環」をしっかり実行していくことが大事だと述べた。グリーントランスフォーメーション(GX)やデジタルトランスフォーメーション(DX)など社会課題の解決につながる投資で企業が成長し、賃上げを通じて消費を増やしていくサイクルを続けることが重要との認識を示した。

先週22日の東京株式市場で日経平均株価は3万9000円台まで上昇し、34年ぶりに史上最高値を更新。26日も続伸して取引を終えた。

十倉会長は、株高の要因について、中国経済の低迷で資金が日本にシフトしていることや、為替の円安で輸出企業の業績が好調なことなどもあるとしつつ、「大本には日本が成長と分配の好循環に動き出したということへの評価も小さくはない」との見解を示した。

個別企業の労使交渉が本格化してきた春闘では、自動車大手のホンダやマツダなど自動車大手が労働組合の賃上げ要求に満額回答した。十倉会長はこの動きを「結構なことだ」と評価。大手にとどまらず、中小企業を含めたサプライチェーン全体に前向きな動きが起こればいいと語った。

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