米沿岸警備隊、キリバスのEEZで中国漁船に立ち入り検査

Kirsty Needham

[シドニー 26日 ロイター] - 米国の沿岸警備隊と太平洋の島しょ国キリバスの警察は今月、キリバスの排他的経済水域(EEZ)内で中国漁船2隻の立ち入り検査を実施した。違法漁業のパトロールの一環。問題は見つからなかったという。

米国はキリバスの沿岸警備で同国との協力拡大を目指している。中国が太平洋島しょ国との関係を強化する中、監視を拡大する狙いもある。

ロイターは23日、キリバスで中国の警察官が現地の警察とともに活動していると報道。中国の警察官が地域の警備や犯罪データベースプログラムに関与しているという。

キリバスはハワイに比較的近く、太平洋で350万平方キロメートル以上のEEZを有するため戦略的に重要な国家と見なされており、日本の衛星追尾用のレーダーステーションもある。

米政府は中国に対抗して現地に大使館を建設する計画を示唆しているが、まだ実現していない。

米沿岸警備隊によると、今月11─16日に「シップライダー(乗船)」協定の下で約10年ぶりにキリバスの警察と共同パトロールを実施。「EEZ内の規制順守を確実するため、通常の海事法執行活動の一環で中国籍の漁船2隻に立ち入り検査を行った」という。

検査では問題が見つからず、「今回の協力は海事法順守に向けた両国の連携を示すものだ」としている。

キリバスは台湾と断交し、2019年に中国と国交を結んだ。中国はキリバスの首都タラワに大規模な大使館を建設した。

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