防災機能備えた広場「復興海浜緑地」整備へ工事始まる 普段はパークゴルフ場として活用 福島・浪江町

2011年の東日本大震災で津波による被害を受けた福島県浪江町の沿岸部で、防災機能を備えた広場の工事が始まりました。

浦部智弘アナウンサー「請戸小の北側には更地が広がっています。この更地に防災機能を備えた広場を作ることになっています」

浪江町では、津波の被害を受けた請戸地区で、防災機能を備えた広場「復興海浜緑地」を整備する計画です。1キロほど離れた場所には、2年後に完成予定の「復興祈念公園」があり、海浜緑地はその防災機能をカバーする役割を担います。そのため、災害などの際は「緊急ヘリポート」や、請戸漁港で荷揚げされた緊急物資の仮置き場などとして活用されることが想定されています。

26日は造成工事の開始に合わせて安全祈願祭が開かれ、関係者がくわ入れをして工事の安全を祈りました。

浪江町・吉田栄光町長「(震災から)13年が経過しておりますけど、地域の方々の想いがしっかりと紡がれた拠点としたいと思っております」

この広場は、普段はパークゴルフ場として活用される予定で、町では、2年後の2026年3月末までの完成を目指しています。

海浜緑地と祈念公園「協力して伝承を」

この「復興海浜緑地」は震災遺構になっている浪江町の請戸小学校の北側に町が整備するもので、2年後の完成を目指しています。広さはおよそ4.9ヘクタールと東京ドームひとつ分で、普段は、パークゴルフ場となる予定です。ただ、災害など有事の際は、1キロほど離れた「復興祈念公園」の防災機能をカバーする役割を持っています。

その「復興祈念公園」とは、県が現在整備を進めていて、震災と原発事故を後世に伝えるための施設です。ただ、災害の時は緊急ヘリポートや請戸漁港から入った物資の仮置き場として利用されます。復興祈念公園が使用できなくなった場合に、この役割を「復興海浜緑地」が担うことになります。

海浜緑地も祈念公園も、完成時期は同じで、県と町は「今後、協力し合って震災の伝承活動を行っていきたい」としています。また、浪江町の吉田町長は海浜緑地について「交流の場としてにぎわってほしい」と期待を寄せていました。

© 株式会社テレビユー福島