IWGP初防衛、内藤哲也が新日本退団のオカダ・カズチカへの想いを吐露「オカダの活躍がなければ、俺が挫折することはなかった」

新日本プロレスはビッグマッチ『THE NEW BEGINNING in SAPPORO』2.24北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる大会を開催した。終盤の5試合では今シリーズ抗争を繰り広げて来たロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン(ロスインゴ)と、Just 5 Guys(J5G)によるシングル5番勝負が組まれた。

BUSHIがTAKAみちのくに、DOUKIが高橋ヒロムに勝ち、ジュニア対決は1勝1敗に。鷹木信悟とタイチは場内を揺るがすような熱闘の末、タイチが物凄いバックドロップホールドで3カウント。続く敗者髪切りマッチとして行われた辻陽太と上村優也による同期対決も一進一退の攻防を繰り広げたが、最後は一瞬の隙を突いて辻がジーンブラスターを決めてフォール勝ち。試合後、辻が上村の長い髪をまとめてバッサリ切ると、バリカンを入れるも上村がそのバリカンを奪い自らの髪を剃ってリングを後に。バリカンはかなり短めに設定されていたことから、丸坊主が予想される。辻は放送席にいたオカダ・カズチカに「こんな終わり方でいいのか?」と声をかけてからバックステージへ。

メインイベントでは1.4東京ドーム大会と同じくIWGP世界ヘビー級選手権試合、ドームでSANADAを破った内藤哲也が、SANADAのリターンマッチを受けた。二人は前哨戦が多かったこともあり、ドームで当たった時よりも読み合った展開となり、お互いに必殺技を決められまいと、最後の一発をかなり警戒していた。しかしそんなSANADAの裏をかくかのように、内藤はロープを使ってのスイング式DDTを放つと思わせて、そのままガッチリと首固めで固めてカウント3。内藤がSANADAのリマッチを退けている。

試合後、マイクを握った内藤は「今日の札幌大会でこのリングを離れる男がいるわけで。2007年8月、その男が初めて新日本のリングで試合をした相手が俺。その俺に何も言わずにこのリングを去ろうとはオカダ!さみしいぜ」と放送席のオカダに目をやるも、いつものように「デ・ハポン!」の大合唱で締める。しかし、締めた後に内藤はオカダをリングに迎え入れると、拳を突き上げて、オカダがこれに応じようとしたところを襲撃。オカダもドロップキックやレインメーカーを狙うが見事にスカされ、笑みを浮かべながら引き上げたが、最後はリング上の内藤に向けて拳を突き上げていた。
バックステージで内藤は「このリングを去るオカダ。凱旋帰国後のオカダの活躍がなければ、俺が挫折することはなかったでしょう。でもその挫折があったからこそ、たくさん悔しい思いをして、そして悩んでメキシコに行って、ロス・インコベルナブレスに出会ったわけで。そういう意味で俺はオカダに感謝してるよ」とオカダへの想いを口にすると、「でもこのリングを離れるんだろ? じゃあ、さっさといなくなれよ。でもオカダ、 またどこかで会おうぜ、カブロン!」と内藤節でオカダにエールを送る。
するとオカダは「最後に3つ(試合を)解説させてもらって、新日本プロレスの凄い闘いは観せてもらいましたし、本当にJ5Gもロスインゴももう絡めないのかなと思いましたけど、始まりが内藤さんであって、終わりがまた内藤さんだったんじゃないかと思いますし、もう新日本プロレス大丈夫だと思いますし、次やっていきたいと思います。これが本当にありがとうございました。おしまい」と、最後にリングで内藤と絡めたことが嬉しかったようだ。

2.11大阪大会でウィル・オスプレイ、この日はオカダとタマ・トンガが新日本マットを去り、デビッド・フィンレーが「WAR DOGSが変わるという知らせを受けた」と意味深発言をしており、若干の離脱者は出るかもしれないが、この日をもってサヨナラシリーズは終わり。新日本は新たな闘いに進む。

まずは3.6東京・大田区総合体育館で開催される『旗揚げ記念日』で内藤とSHOによるIWGPチャンピオン対決が決定。SHOはかつての相方YOHにIWGPジュニアのベルトを強奪されているだけに、心中穏やかではなさそうだが、内藤とH.O.Tの関係も根深いだけに、春の最強決定トーナメント『NEW JAPAN CUP 2024』直前に開催する同大会に注目したい。

◆新日本プロレス◆
『THE NEW BEGINNING in SAPPORO』
2024年2月24日
北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる
観衆 5,355人
◎ロスインゴ対J5G シングル5番勝負
***
▼IWGP世界ヘビー級選手権試合(60分1本勝負)
<王者>○内藤哲也(24分05秒 スイング式首固め)SANADA●<挑戦者>
※第8代王者が初防衛に成功。
***
▼敗者髪切りマッチ(30分1本勝負)
○辻陽太(28分20秒 体固め)上村優也●
※ジーンブラスター
***
▼敗者YouTubeチャンネル剥奪マッチ(30分1本勝負)
●鷹木信悟(14分45秒 バックドロップホールド)タイチ○
***
▼シングルマッチ(30分1本勝負)
●高橋ヒロム(14分45秒 スープレックス・デ・ラ・ルナ)DOUKI○
***
▼シングルマッチ(30分1本勝負)
○BUSHI(9分13秒 膝固め)TAKAみちのく●

文⚫︎どら増田

© 日本スポーツ企画出版社