“おつりはいらない” が常識!「君はバブルを知っているかい?」株価上昇で34年前のバブル期再来? 街の人の実感は

日経平均株価が22日、史上最高値、3万9000円台の大台を突破。34年前のバブル期の再来か?とも言われていますが、みなさんはどう感じているのか、街の声を聞いてきました。

20代
「最近投資を始めて、値上がり感覚がどんどん上がっているな。新NISAが始まったので、この機会にやってみようかなと思って、それで(景気が上がっていると)感じることはあります」

20代
「給料上げていただけたら一番早いかな。今、収入が少ないから貯める方を考える。上がれば使う方も増えてくると思うので」

20代
「実感はないですね。実質賃金が下がっている中で最高値を記録しても…。これから追いついてくるのかなって感じですかね」

20代
― 親世代はバブルを経験している?
「バブル期は、口座の預金の利率が7%とかの時代じゃないですか、ぼくたち、零点何%の時代なので、銀行に預けていたらお金が増えるっていうのはうらやましいな」

20代
「バブル期は、お金が有り余っていたって言っていました。半年に1回、車を買い替えていた。バブルだったと言っていました」

「一晩で50万円は使った」バブル景気を知る人は…

今からおよそ30年前、バブル景気が発生した1980年代後半を生き抜いてきた方々は、どのように感じているのでしょうか?

62歳
「62歳ですからバブルは知っているんですよ。今は全く実感はない。物価が上がっている、でも給料はそのまま。変わらないよね意識は」

60代
「実感はない。税金を安くしてもらわないと暮らしていけない。あの頃はバリバリで仕事していたけど、お客さんからお金もらうときでも『おまえ、これだけでええんか』とかね、そういうようなこともあった」

60代
「バブルの時は景気よかった。飲み会が多かった。一晩で50万円くらい使いました」

58歳
「今はまだ実感ないです。タクシーに乗って5000円って言われても1万円渡して。おつりいらないよっていうのが常識だったですよね、チップっていうのが」

57歳
「個人的に自分に影響はないので実感はない。当時は営業で100万円持たされて、これを使いきるまで帰ってくるなという話は聞いたことある。接待とか営業で使ってこいっていう。信じられないですよね、当時」

今回の株価がなぜ、ここまで上がったのか―。広島経済大学 経済学部の 重本洋一 教授によりますと、「海外資金の流入」つまり、海外の投資家が日本の株を購入したということです。

その要因として、▽円安の影響、▽国内半導体企業の業績アップ、▽不動産バブルの崩壊など中国経済の破綻で中国に流れていた資金が日本に入ってきた。そして、▽新NISAへの期待感も背景にあるということです。

バブル期の株価と今回の株価の違いについて重本教授は、1989年のバブル期は国民に「錯覚」があったと指摘します。例えば、当時、「銀行はつぶれない」「土地の値段は上がり続ける」といった神話がありました。だから銀行から金を借りて土地を買う。そこで土地が上がってもうかるので、また銀行で借金して、また土地を買うという構図でお金を使っていた。これに対し現在は、前回のバブルの警戒感から歯止めがかかっている。

さらに、バブル期の株価と現在の株価は、価値が違うということなんです。株価の価値を示す株価収益率(PER)という数字があります。株価が1株あたり予想利益の何倍かを表すもので、1989年末には60倍以上の異常値でしたが、今回は16倍です。1989年末の60倍超えはやはりバブルといえますが、今回はバブルではないと判断されます。

そして、この株価の影響がわたしたちの生活にどう影響してくるのか、給料には影響あるのかというと、重本教授は賃上げにつながる可能性があるといいます。「資産効果」といって、株価が上がると株主などが買い物して消費が上がる。そうすると、国内企業の業績が上がり、景気が上がって賃上げにもつながるということです。半年後か1年後か、時期はわからないのですが、人手不足と相まって賃上げにつながるのではないかということです。

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