二・二六事件から88年 凶弾に倒れた齋藤實の出身地・岩手県奥州市で未公開資料の特別展

陸軍青年将校によるクーデター未遂事件、「二・二六事件」から26日で88年です。この事件で凶弾に倒れた元内閣総理大臣・齋藤實のこれまで未公開だった貴重な資料を集めた展示会が、出身地・岩手県奥州市の記念館で始まりました。

奥州市水沢の齋藤の生家の跡地に建つ記念館で始まった「未公開資料お披露目展」は、齋藤の功績や人柄をもっと多くの人に知ってもらおうと26日から開かれているものです。
齋藤は、1906(明治39)年に海軍大臣に就任すると、1932(昭和7)年には、五・一五事件で犬養毅内閣が倒れた後を受けて、第30代内閣総理大臣に就任しました。岩手県出身者としては平民宰相として知られる原敬に次ぐ2人目の総理大臣でした。
そして内大臣を務めていた1936(昭和11)年、「二・二六事件」で陸軍の青年将校らに自宅を襲撃され、銃弾を受け77歳で亡くなりました。

今回の企画展で展示されている資料の数々は、ほとんどがこれまで公開されてこなかったものです。
初公開となる長さ35センチ、重さ2キロほどの観音像は、齋藤が朝鮮総督を務めていた時期に、朝鮮との友好を願って作られたもので、2年前に齋藤の親族から記念館に寄贈されました。
また齋藤が総理大臣を務めていたころに日本を訪れたイギリスの映画俳優、チャールズ・チャップリンと一緒に撮った写真も展示されています。世界的なスターだったチャップリンとの撮影に、齋藤も少し緊張しているようにも見えます。

(斎藤實記念館 学芸調査員 及川泉さん)
「平和を唱えていた人物でしたので、そういうところを資料を見ながら、今の私たちも学ぶべきところがたくさんあるのではないかなと思うので、ぜひご来館いただきたいと思います」

平和を願った齋藤の功績と人柄に触れることができるこの企画展は、5月31日まで、奥州市の斎藤實記念館で開かれています。

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