強盗殺人ではなく強盗致死…弁護側が控訴「判決に事実誤認がある」 SNSで知り合った女性を車内で絞殺、車強奪 鹿児島地裁が無期判決 

 鹿児島県鹿屋市で2020年9月、交流サイト(SNS)で知り合った女性を車内のシートベルトで絞殺し、車を強奪したとして、強盗殺人などの罪に問われた無職の男(31)の弁護側は26日、求刑通り無期懲役とした鹿児島地裁判決を不服として福岡高裁宮崎支部に控訴した。

 弁護側は殺意はなかったとして強盗致死罪を主張していた。弁護人は取材に対し「本人と話し合い、控訴を決めた。判決が鼻口部閉塞(へいそく)による窒息死を排除した過程に事実誤認がある」と話した。

 22日の地裁判決は、弁護側が指摘する「シートベルトが鼻口部をふさぎ窒息した可能性」について、「幅4.5センチのベルトで隙間なく覆い、鼻と口を同時にふさぐのは困難」などと退け、殺意を持ってシートベルトで絞殺したと認定した。

 判決によると、被告は20年9月16日、鹿屋市の商業施設駐車場に止めた女性=当時(35)=の軽乗用車内で、車を自由に使用させるよう要求。抵抗されたため殺害し、車を奪って垂水市の土手に遺体を遺棄した。

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