IMF、G20の協力促す 気候変動やAIの国際的原則など

Andrea Shalal

[サンパウロ 26日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は26日、20カ国・地域(G20)が協力して気候変動に対処するとともに貿易制限措置を回避し、人工知能(AI)の国際的な原則を採用することなどによって経済成長の見通しを押し上げることが可能との認識を示した。

ゲオルギエワ氏はG20に対するIMF報告書に関するブログで、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)やウクライナでの戦闘による経済的ショックで緊急時対応が続けられてきた数年間を経て、G20は改革の政策モメンタムを再構築するために「大胆に行動」するよう求めた。

ゲオルギエワ氏は政策立案者が現在、将来のショックに対する財政的バッファーの再構築、国内歳入の増加、公的債務増の抑制、AIなどで成長見通しを改善させることに焦点を当てることができるようになっていると述べた。世界的な低成長はあらゆる国に影響し、新興市場や発展途上国にとっては「特に厄介」になると指摘。課税ベースを拡大し、抜け穴をなくし、税制を改善する努力を続けることが重要だとし、G20がIMFと世界銀行に対して共同イニシアチブの立ち上げを求めたことを明らかにした。

このところの短期的な経済見通しの改善で「ソフトランディング(軟着陸)」が視野に入ったことから、G20の政策立案者は「より公平、豊かで、持続可能、かつ協調的な将来を目指すことができる」とも指摘した。

IMFはAIの国内での規制枠組みを改善し、利用に関する国際的原則を調和させるなど、責任ある利用を確保するために協力するようG20に呼びかけている。

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