FRB、尚早な利下げに懸念 不確実性強調=議事要旨

Howard Schneider Lindsay Dunsmuir

[ワシントン 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が21日に公表した1月30日─31日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、金利をいつまで現行水準に維持すべきかに不透明感が存在する中、政策担当者の大半が尚早な利下げに対する懸念を示していたことが分かった。

議事要旨によると、政策担当者はインフレ率を目標とする2%に戻すために制約的な金融政策スタンスを維持しなくてはならない期間を巡る不確実性を強調。大半の参加者が政策スタンスを緩和する動きが速すぎることのリスクを指摘したのに対し、過度に制約的なスタンスを長く維持することに伴う経済への下振れリスクを指摘したのは数人にとどまった。

利下げを検討する前にインフレ低下に対するより大きな確信が必要であることに「概ね」同意したという。

議事要旨によると「一部の参加者」は、経済がこれまでと同じように好調を維持すれば、インフレの進展が停滞するリスクを指摘した。

議事要旨発表後も金利先物市場ではFRBの利下げ開始は6月になるとの見方が優勢だ。

ハリス・ファイナンシャル・グループのマネジングパートナーのジェイミー・コックス氏は「労働市場が持ちこたえる限り、FRBは利下げに時間をかける余裕がある。労働市場が協調的な場合、インフレとの闘いははるかに容易だ」と語った。

FRBは1月のFOMCで政策金利を5.25─5.50%に据え置いたが、FRBの目標であるインフレ率2%に向けて「インフレが持続的に進展しているとの確信が高まれば」利下げの道が開かれるとした。

一方で、商業用不動産価格の下落など米国の金融システムにおける「顕著な」脆弱性から、「インフレ率の鈍化には予想よりも時間がかかる」可能性まで、FRB当局者はさまざまなリスクに留意した。予想よりも「実質活動のペースが鈍化する」という可能性がある。

議事要旨はFRBのバランスシートの縮小の停止の時期と方法に関する今後の決定にも言及。「多くの参加者」が3月のFOMCでバランスシートの政策に関して「踏み込んだ」議論が始まることを示唆した。

© ロイター