●3月で30歳に
日本相撲協会は26日、大相撲春場所(3月10日初日・エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表し、朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西前頭筆頭に座った。先場所はけがで途中休場したが、終盤に復帰して9勝を挙げ、番付運にも恵まれ一気に6枚上がった。近大時代を過ごした大阪での場所で三役復帰を狙う。
朝乃山は2場所ぶりに筆頭の地位に戻り、勝ち越せば三役復帰が見えてくる。役力士との総当たりとなる番付で、地力が問われる場所になる。
先場所では初日から7連勝とし、幕内単独首位で迎えた8日目の玉鷲戦で足首を捻挫し、途中休場した。13日目から再出場して勝ち越しを決めて9勝3敗3休で終えた。
東前頭筆頭で迎えた昨年九州場所では三役復帰を目前にして、場所直前の左ふくらはぎの肉離れで初日から休場。復帰後初めての負け越しとなった。先場所千秋楽には、2場所続けて15日間を皆勤できない状況に「最近は皆勤の場所がない。15日間、土俵に立って闘いたい」と悔しさをにじませていた。
場所後は左脚からサポーターがなくなり、順調に調整を進めている。3月1日には30歳になり、30代に入って迎える初めての場所になる。かつて大関昇進を決めた縁ある浪速の土俵で、三役復帰を決める決意だ。
●県内ファン「順当」「10勝はしてほしい」
富山県内の支援者やファンは新番付を「順当だ」「良かった」などと評価し、飛躍を願った。
朝乃山富山後援会の青木仁理事長は「予定通り」と冷静に受け止め、「勝って勝って勝ちまくり、早く上に昇り切ってほしい」と期待した。
朝乃山の実家がある富山市呉羽町の貴船巻町内会長の酒井龍男さんは三役に手の届く番付になったことを喜び「けがをせず、千秋楽まで相撲を取りきってくれれば、結果はついてくる」とエールを送った。呉羽地区自治振興会の北森正誠会長は「前に出る相撲を取り、10勝はしてほしい」と話した。
県警OBらでつくる「富山を楽しくする会」の長谷川敏博事務局長は「初場所の序盤の時のような落ち着いた相撲を取り、優勝につなげてほしい」と願った。