岩手に感謝「がんばるちゃ!」 氷見・西條、北部中が横断幕 野球の縁で寄付金

寄付金に感謝を伝える横断幕を掲げる生徒=氷見市西條中

  ●被災地同士、復興考える

 東日本大震災で被災した岩手県宮古市の花輪中から、氷見市の西條中と北部中に能登半島地震支援の募金54万4783円が届いた。岩手県の野球大会に参加した縁があり、生徒会が街頭活動などで集めた。2校は感謝を伝える横断幕を作成。生徒が26日に西條中に集まり、活用方法を話し合った。宮古の中学生と関わり合いながら、震災復興を考える活動の第一歩を切った。

 宮古市は2011年に起きた東日本大震災で死者が500人以上を数え、甚大な被害を出した。花輪中は「いきる、かかわる、そなえる」をキーワードに復興教育に取り組んでいる。生徒会は岩手と縁のあった中学校がある氷見市が被災したことを知り、1月13、14日に市内スーパーで街頭募金し、保護者にも募金を呼び掛けた。

 北部中時代に野球部を率いて岩手県の大会に出場した西條中の田村剛教諭に、花輪中から打診があった。北部中と西條中の野球部は昨年秋から合同チームになっており、2校で寄付を分け、能登半島地震の復興について学びを深めることにした。

 この日、西條中には生徒会役員と野球部員の計32人が集まった。「ありがとうございました!氷見も元気にがんばるちゃ!」と書かれた横断幕を校庭で広げて記念撮影した。その後、6グループに分かれて、活用法のアイデアを出し合った。写真は感謝のメッセージを添えて花輪中に送るほか、両校のホームページに掲載する。

 西條中野球部主将の田中昊輝さん(2年)は「旗や看板を作って市民に頑張ろうと呼び掛けたい」と提案。北部中生徒会長の久保真剛さん(同)は「校舎のひび割れがひどいので早く直せればと思う」と話した。

 西條中の光安淳子校長は「金額の大きさに驚いている。東日本の際に支援を受けた宮古の人たちの感謝の気持ちの表れだ。重く受け止め、何ができるかを生徒たちと一緒に考えたい」と話した。

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