「蝶よ花よ、花よのネンネ」―。色鮮やかな長じゅばん姿の老若男女がおはやしに乗せて踊るように太鼓をたたき、櫓の上で浮いた。福井県勝山市中心部で2月24、25日に行われた奇祭「勝山左義長まつり」。にぎやかな左義長ばやしがまちなかに響き、奥越に春を呼んだ。
幕開けを告げる一番太鼓は立川区。「ドンッ」の音色を合図に各区で一斉におはやしが始まった。櫓の周りには、打ち手のしなやかな動きや楽しげな表情につられ手拍子をしたり、体でリズムを刻んだりする見物客であふれた。カラフルな短冊、名物の作り物や絵あんどんも彩りを添えた。
最終日はフィナーレを飾るどんど焼き。訪れた人は、14基のご神体(松飾り)から高く燃え上がる炎に、ことし1年の健康などを祈った。
まつりは300年以上続く伝統行事で、県無形民俗文化財に指定されている。今年は4年ぶりに全12区の櫓が設置されるなど、新型コロナウイルス禍前の姿に戻った。
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