足利短大2026年閉学へ 定員割れ、学生確保困難に 25年度以降の学生募集停止

26年3月で閉学する足利短期大=26日午後4時35分、足利市本城3丁目

 学校法人足利大学(武井全補(たけいぜんぽ)理事長)は26日、栃木県足利市本城3丁目の足利短大(末武義崇(すえたけよしたか)学長)の2025年度以降の学生募集を停止すると発表した。24年度の入学生が卒業する26年3月をめどに閉学する。18歳人口の減少や四年制大学人気の高まりで定員割れが続き、今後も学生の確保が難しいと判断した。

 同短大は1979年、「幼児教育科(現こども学科)」の単科大として開学した。96年には「看護科(のちに看護学科へ改称)」を新設。2000年には保育士の資格保持者が1年で介護福祉士の国家資格を取得できる「専攻科福祉専攻」を新設したが、09年度に廃止した。

 また14年には現在の足利大に看護学部が創設されたため、18年に「看護学科」も廃止。「こども学科」のみの単科大として運営していた。

 同法人によると、近年は入学者の定員割れが続いていた。定員を100人から75人に減らした20年度は定員を満たしたが、21年度は67人、22年度は50人と減少した。23年度は再度定員を減らし50人としたが、入学者数は34人にとどまった。24年度の入学予定者は、現時点で35人という。

 今後は新入生や在学生の教育、進路支援に万全を期すとしている。卒業後の各種証明書の発行や同窓会の諸活動は、同法人が引き継いで対応する。同短大付属の高校と幼稚園は、校名を変更して継続する予定という。

 22年度までに、延べ約5千人の卒業生を輩出した。かつては東北や南関東からの入学者もいたが、近年は地元を中心とする北関東出身者がほとんどを占めていた。末武学長は下野新聞社の取材に対し「45年の歴史ある本学が募集停止となり大変残念だが、教職員一同、24年度入学生を含め教育、就職指導に引き続き取り組む」とコメントした。

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