伊藤美誠“監督”の要求は「キッツイ」――早田ひな&平野美宇ら同級生がベンチからの助言に感謝「チームの雰囲気に繋がった」【世界卓球】

韓国・釜山で開催された卓球の『世界選手権団体戦』で銀メダルを獲得した女子日本代表。2月26日に開かれた会見で、決勝・中国戦を戦った早田ひなや平野美宇らは同級生リザーブメンバー伊藤美誠の助言に感謝した。

東京五輪で金、銀、銅メダルを獲得した伊藤は、これまで幾度も中国選手と対戦経験がある。24日の決勝では、その知見を活かしベンチで仲間にアドバイスを送り、世界最強の難敵を苦しめた。試合は大接戦の末、マッチカウント2-3で敗れたものの、チームの精神的支柱として銀メダルに大きく貢献した。

ネット上で「伊藤監督」と話題となったこともファンの記憶に新しいだろう。会見で、早田は「美誠の要求はキッツイなと思った」と本音を明かしたうえで、「ボール1球ではなく、1本1本のラリーで『じゃあ次ここ、次ここみたいな感じ』で言ってきた。でも、そのレベルでないと勝てないことは分かっている。自分も中国人選手に勝った経験があるからこそ理解できる」と振り返った。

そして「試合で実行できた時には、『やるやん!』みたいな感じで(伊藤選手に)グーサインを出してもらったりとかして、それをやってもらうことで『本当に合っているな』って思えた。それが今回の日本チームの雰囲気に繋がった」と感謝した。
平野も、控えとして戦術を共有してくれた同級生を高く評価している。

「いつもベンチに帰ったら、木原選手と伊藤選手が応援してくれて、木原選手は常に笑顔で、伊藤選手には冷静にアドバイスを送ってもらうことが多く、ふたりの力があったから最後まで自信をもって戦えた。伊藤選手は同い年なんですが、世界でもトップ級に頭の回転が速い選手だと思うので、見習うことが多い。今回はその意見を聞いて最後まで中国選手と戦えた」

日本チームの影の立役者となった伊藤。パリ五輪は補欠を辞退する意向を示しているが、協会はどのように判断するだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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