チャリティー絵画展 アートでつなぐ被災地への思い 3月1~19日、長崎・風の大地美術館

チャリティー絵画展を開く「風の大地美術館」の上田さん夫妻=長崎市伊良林3丁目

 能登半島地震の被災地を支援しようと長崎市伊良林3丁目の「風の大地美術館」は3月1~19日、同館で「チャリティー絵画展」を開く。賛同した県内作家たちの美術作品を特別価格で販売し、売り上げの一部を日本赤十字社を通じて被災地へ送る。
 甚大な被害を受けた被災地。画家でもある館長の上田清人さん(71)は「絵を描ける幸せな状況にいる私たちに何ができるか」と考えた。同市の荒木恵子さんら付き合いのある県内の画家18人にチャリティー展への参加を呼びかけると、全員が「一緒にやろう」と快く賛同してくれたという。
 日々意欲的に制作活動に取り組む作家たち。上田さんを含め19人の油彩、水彩画、版画など約50点を展示する。チャリティー展のために制作した新作も多く、1点につき2万~3万円で販売。売り上げのうち、額縁や画材にかかる実費を差し引いた額を寄付する。
 同館は上田さんが中学の美術教師を定年退職した後、2017年に妻勝子さん(65)と開設。二人三脚で展覧会などを企画してきた。勝子さんは「これだけの画家が集まり、一つの展覧会を開くことはなかなかない」と話す。上田さんは「絵を描いた人、購入する人、楽しく鑑賞する人。それぞれの思いを、アートを通して被災地へ届けたい」と話した。
 会場では、上田さんが描いた絵はがき(1枚100円)も販売、チャリティーに役立てる。入場無料。水、木曜休館。同館(電090.7444.9037)。(松尾えり子)

© 株式会社長崎新聞社