ふたつ星で佐賀の「食」と「酒」堪能 JR九州が佐賀県観光課、県観光連盟とタイアップ 博多駅から鹿島市の肥前浜駅までを走行

佐賀駅に停車した「ふたつ星4047」を撮影する乗客=佐賀市

 JR九州は22日、佐賀県観光課、県観光連盟とタイアップし、観光列車「ふたつ星4047」に乗って佐賀の「食」と「酒」を満喫するツアーを実施した。県外からの誘客のため通常運行とは異なるルートで、博多駅から鹿島市の肥前浜駅までを走行した。乗客は佐賀平野や有明海を車窓から一望しながら、特製弁当や日本酒に舌鼓を打ち、旅行を満喫した。

 西九州新幹線の開業に合わせて2022年10月から運行しているふたつ星(武雄温泉―長崎)は、長崎線経由の有明海ルートと、大村線経由の大村湾ルートを走行している。今回のツアーでは、ふたつ星が初めて博多駅を出発して佐賀駅を経由し、肥前浜まで特別運行した。

 ツアーは佐賀の食の魅力や、3月23、24の両日に開かれる鹿島酒蔵ツーリズムのPRを目的に実施した。日帰りと嬉野温泉に宿泊する二つのコースを用意。予約は即完売で九州外からの来場も多く、2コース合計で84人が参加した。

 車内では、佐賀駅の商業施設内にある「SAGA BAR」が監修した食事と酒を提供した。佐賀牛や佐賀海苔のりなど、県産食材をふんだんに使用したオリジナル弁当を振る舞った。県産酒の試飲も行った。

 肥前浜駅では70分滞在し、鹿島市の肥前浜宿酒蔵通りを散策した。地元の歌手らのミニコンサートも漬蔵たぞうで開き、歌声に酔いしれながら酒蔵の日本酒を堪能した。

 福岡県宗像市から夫婦で乗車した花野弘さん(65)と由美さん(63)は「電車とお酒のマッチングが最高。鹿島に初めて来たが、次は泊まりたい」と声を弾ませた。兵庫県から参加した鉄道ファンの40代男性は「ふたつ星がデビューする時に来られなかったので、ぜひ参加したいと思っていた。弁当はどの料理も素晴らしかった」と絶賛した。

 JR九州の担当者は「参加者にアンケートを取り、好評であれば、今後も佐賀県と協力し、継続して実施していきたい」と話した。(小島発樹)

鹿島市を中心に活動する音楽家らがミニコンサートを開き、歌声で乗客を魅了した
車内では「SAGA BAR」おすすめの県産日本酒を堪能した
「SAGA BAR」が監修し、佐賀牛や有明海苔など県産食材を使用したツアーオリジナル弁当
肥前浜宿酒蔵通りを散策する乗客ら=鹿島市

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