頭に点々の水玉模様があるから…和名は「テンテンヘビギンポ」 琉球列島広域に生息 新種の魚確認、命名 鹿児島大などのチーム

新種と確認されたテンテンヘビギンポ(屋久島ダイビングサービス「もりとうみ」の原崎森氏提供)

 鹿児島大学総合研究博物館などのチームは、琉球列島広域に生息する魚のヘビギンポ属の新種を確認したと発表した。頭部の水玉模様が特徴で、標準和名はテンテンヘビギンポと命名。1月末、日本魚類学会発行の英文誌に掲載された。

 屋久島のダイバーらの間では「頭てんてん」の愛称で親しまれていたが、詳細は分かっておらず、各地の標本を調べて新種と分かった。全長2センチほどで、比較的浅い岩礁域に生息。日本からオーストラリア、ソロモン諸島にかけて分布する。屋久島では、2~4月にかけて産卵が確認され、繁殖期にオスの頭部の一部が黒く変色するのも特徴だという。

 学名には、光沢のある白い体色にちなみ、ラテン語で絹を意味する「セリカス」を盛り込んだ。名付け親で、修士2年の出羽優凪(ゆうな)さん(23)は「一般の人にも受け入れやすいよう、親しみを感じさせる和名にした。ずっと存在は知られていながらも、名前のない種はまだまだある。研究を続けていきたい」と話した。

新種と確認されたテンテンヘビギンポの標本を持つ出羽優凪さん=21日、鹿児島市の鹿児島大学
新種と確認されたテンテンヘビギンポのオス(上)とメス(鹿児島大学総合研究博物館提供)

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