【女性殺害遺棄初公判】「私は犯人ではありません」殺人など4つの罪に問われた男は起訴内容を全面否認(静岡地裁)

2022年 元交際相手の女性を殺害し静岡市内の山林に遺棄した罪などに問われている男の初公判が静岡地裁で開かれました。男は「私は犯人ではありません」と起訴内容を全面的に否認しました。

初公判を受けたのは住所不定・無職で38歳の男です。起訴状などによりますと、被告の男は、2022年1月、静岡市内で元交際相手で当時37歳の女性の首を圧迫して殺害し、遺体を山林に遺棄した上、被害女性のスマートフォンを盗んでインターネットバンキングにアクセスし、計300万円を自身の口座に不正送金するなどした殺人や死体遺棄、窃盗など4つの罪に問われています。

27日、静岡地裁で開かれた裁判員裁判の初公判。裁判長に起訴内容について問われた被告の男は…「私は犯人ではありません」起訴内容を全面的に否認し無罪を主張しました。

検察側は冒頭陳述で、被害女性の車にあるカーナビの記録などから、被告の男が女性と車で移動した後、1月17日の午前4時半までに静岡市清水区のキャンプ場、またはその周辺で女性を殺害し山林に遺体を遺棄したと指摘。その後、駿河区まで車で移動し、女性のスマートフォンで計300万円を自身の口座に不正送金したと主張しました。その上で、「被告の男以外の人物が犯人である合理的な可能性は考えられない」と主張しました。

一方、弁護側は冒頭陳述で、午前4時半以降に被害女性のスマートフォンから友人ら3人に連絡があったことから、女性は午前4時半以降も生きていたと反論。また、被告の男は女性のインターネットバンキングにログインするためのIDを知らなかったとして、女性が自ら被告の男の口座に送金したと主張しました。その上で、被害女性は「被告の男以外の何者かに殺害された」と反論しました。

被告の男が起訴内容を全面的に否認したため、今後、女性が殺害され遺棄された時間帯が最大の争点になるとみられます。裁判は今後、証拠調べや被告人質問などが行われ、3月8日に結審する予定です。

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