欧州プライベート・デット・ファンド融資、22年半ばの水準に回復

Naomi Rovnick

[ロンドン 27日 ロイター] - デロイトが27日公表したデータによると、プライベート・デット・ファンドが2023年第4・四半期に欧州で実行した融資は189件と、欧州中央銀行(ECB)が利上げを開始する直前の22年第2・四半期以来の高水準となった。

プライベート・デット・ファンドは主にリスクの高い企業に高金利で融資を行う。ECBの利下げを見越して貸し出しを増やしていることが示された。

デロイトのディレクターで調査を担当したアンドリュー・クルイックシャンク氏は、ECBが政策金利を過去最高水準に維持しているにもかかわらず融資は今年も増加している可能性が高いとの見方を示した。

「現在行っている調査に基づくと、(融資)活動は昨年第3─第4・四半期よりも活発化しているようだ」と述べた。

デロイトによると、23年第2・四半期の融資件数は20年以降で最低水準に落ち込んだ。その後の回復は高リスク社債市場の復活と軌を一にしているという。

格付け会社S&Pグローバルによると、欧州のジャンク級(投機的等級)債券の1月の販売額は前年同月比51%増加した。

デロイトは昨年第4・四半期のプライベート・デット・ファンド融資の5分の1は新規融資ではなく借り換えだったと明らかにした。

S&Pのシニアディレクター、ポール・ワッターズ氏はこの傾向は債券市場全体に広がっていると指摘した。

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