勝てばパリ五輪、負ければ予選敗退…なでしこ指揮官、運命の北朝鮮戦へ「緊張感や高揚感がたまらない」

日本女子代表(なでしこジャパン)を率いる池田太監督が、28日の北朝鮮戦に向けた前日会見に出席した。

パリオリンピックを懸けたアジア最終予選に臨んでいるなでしこジャパンは、24日の北朝鮮女子代表との第1戦をスコアレスドローで折り返した。28日には、負ければパリへの道が絶たれる“乾坤一擲”の第2戦を控えるなか、池田監督は「高揚感、気持ちの昂りは選手ともども、スタッフ一同持って、前日のトレーニングを行いましたし、今この会見上にいます」と告白しつつ、「常にひとつの試合をなでしこジャパンとして戦うにあたり、国を背負う責任感、覚悟を持ってやっています。大きな大会が懸かったというか、重要な試合に向かって戦うということ、そこに監督としても、自分自身としても、スポーツの醍醐味ではないですけど、この世界に生きているからこそ抱ける緊張感や高揚感がたまらない」と明かしている。

気になる第2戦のスタメンについては、「ジッダでの第1戦で戦った選手も大きなケガ無く、しっかりコンディションを整えられているので、全員が戦える状態にあります。それぞれの戦いのなかで、私がセレクトできる状態にある」と言及。続けて「もちろん、勝利にはゴールが必要。我々が得点する、ゴールを挙げるための前へのアグレッシブなプレーもですし、初戦よりもひとりひとりの攻撃の距離感を大事にして、相手のスペースを見つけるという部分にも意識しなければなりません。相手のロングボール、セカンドの回収をしっかりして、攻撃につなげることを大事にしていきます」と明確な戦い方を述べた。

アジアの“強者”としての地位を確立しているなでしこジャパン。だからこそ、失うものがない相手との対戦について、同指揮官は「アジアの予選、五輪予選もそうですし、アジアの戦いのなかで、日本を全力で倒そうとしてくるチームがほとんどです。北朝鮮も我々の良さを消してくる、その国のパワーをぶつけてくると思います。我々が大切にするべきことは、ひとつひとつの戦いに対して、しっかり分析をし、これまでの歴史よりも目の前の相手に立ち向かう、ひとつひとつの戦いを重視すること。相手がどこかではなく、ひとつの試合として立ち向かっていくこと」と強調。また、「失うものというより、手にするもの、喜びも、ものすごく大きい試合なので、そちらにフォーカスしたい。パリで躍動するイメージ、そこで戦うことで国民の心を動かせる喜び、達成感というようなポジティブなことを選手に伝えて、試合に向かいたいと思います」と口にした。

最後に、池田監督は「五輪という大きな大会には、国民の熱量もある。女子サッカーがさらに発展するためにも出場が大きな力になると思います。各スポーツを含め、スポーツの力を表現できる場所。他競技同様に、スポーツの発展、女子サッカーの発展のためにもしっかりと出場権を勝ち取りたい」と決意を語っている。

2大会連続6度目のオリンピック出場が懸かる大一番は、28日に『国立競技場』にて18時34分から行われる。

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