「緊張していたけどやってよかった」高知県立牧野植物園の元ガイド・川本琉楓さんが新たな挑戦 外国人を前に英語で牧野富太郎博士の魅力を紹介【高知】

高知県立牧野植物園で5年間、牧野富太郎博士の生涯を伝えるガイドを務めた中学生がこのほど、外国人に向けて英語のスピーチをおこないました。

大好きな牧野博士の魅力をうまく伝えられたのでしょうか。新たな挑戦を追いました。

2月12日。高知市の牧野植物園です。3連休最終日だったこともあり、朝早くから多くの人が訪れていました。

高知国際中学校の1年生・川本琉楓(るか)さん。去年4月までの5年間、牧野博士専門のガイドを務めていました。

この日は、世界各国の若者が集い異文化交流をおこなう『世界青年の船』の一行、約50人を前に、英語で牧野博士の魅力を紹介しました。

琉楓さん英語

「私が好きな牧野先生の考え方は、人間は自然の中の一部だ、という謙虚な考えです。そういう考え方を持つ事で自然や人に対しても優しい気持ちになれます」

琉楓さんが牧野博士と出会ったのは小学1年生の時。高知の偉人や歴史などについて学ぶ県の育成プログラムを受講した際、博士の生き方に憧れ、勉強し始めました。牧野博士に関する本を読んだりゆかりの地を訪ねるなどして知識を深めた琉楓さん。

学んだことを少しでも多くの人に伝えたいと、小学2年生の時に自ら牧野植物園へお願いしてガイドになりました。

5年間に渡り、コツコツとガイドを続け、去年4月中学進学を機に卒業しました。現在は後を継いだ妹の小学1年生・絆心(きずな)さん(7)をサポートするために植物園に通っている琉楓さん。その中で、当時のガイドを聞いていた「世界青年の船」の関係者から「海外の人たちに牧野博士の事を話して欲しい」とオファーを受け、新たな挑戦を決意しました。

本番当日。琉楓さんのスピーチの前には絆心さんが植物園でおこなっているガイドを披露。英訳された文章をモニターに見せながら牧野博士を支えた妻・壽衛(すえ)のエピソードなどを紹介しました。

妹からのバトンを受け、琉楓さんの出番がやってきました。この日のために3か月かけて一から原稿を作り、練習を重ねてきました。最初は少し緊張した様子でしたが、すぐにその場の雰囲気に慣れた様子で、約3分間、ガイドや学びの中で感じた牧野博士の魅力を外国人たちに語りました。

ガイドを聞いた外国人

「聞くと同時に心で感じることができて素晴らしかった。感動した」「主体的に自分からこの植物園にきて牧野先生について広めるという夢に向かって動けるのに感激しました。そして彼女がどれほど情熱をもって献身的に取り組んでいるのかが分かりました」

本番を終えた琉楓さんは「真剣に聞いてくれているのがすごい伝わってきたし、すごいうなずいて聞いてくれていたので、伝わったのかなと思う」「緊張していたけどやってよかったなと思う」と安堵の表情を浮かべていました。

ちなみに、姉の挑戦を見守った絆心さんは・・

Q:お姉ちゃんの英語かっこよかった?

「そこまではいっていないけど、まぁまぁ」「ちょっと格好いいっていうくらい」

Q:お姉ちゃんみたいに英語やってみたいと思う?

(全力で首を横に振る絆心さん)

まさかのコメントに琉楓さんも思わず苦笑いを浮かべていました。

牧野博士を愛する中学生、川本琉楓さん。これからも博士のことをさらに多くの人に発信できるよう、成長したいと考えています。

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