長崎市新文化施設、市庁舎跡地に建設へ 官民連携で財政負担軽減など目指す

新たな文化施設の建設地に決まった長崎市庁舎跡地(中央)。建物の解体が進んでいる。左奥は現在の市庁舎=同市桜町

 長崎市の鈴木史朗市長は27日、新たな文化施設の建設地を市庁舎跡地(桜町)とし、建設や施設運営などで民間資本を活用する手法(PFIなど)の導入を検討する方針を明らかにした。物価高騰による建設費などの大幅な増加が見込まれる中、官民連携により、市の財政負担軽減や文化施設機能に加える地域活性化策につなげることを目指す。完成時期は当初の2026年度から遅れる見通し。
 定例市議会一般質問で、五輪清隆議員(市民クラブ)の質問に答えた。
 昨年4月策定の基本計画は市庁舎跡地を建設地としていたが、鈴木市長は同6月、駅周辺のにぎわいを浜町周辺の「まちなか」に波及させる観点などから、市庁舎跡地が適切か再考すると表明。まちづくりと文化振興に関する二つの付属機関が他の候補地と比べるなどし、今月、市庁舎跡地が適地とあらためて結論づけた。
 鈴木市長は答弁で、市庁舎跡地は駅周辺とまちなかを結ぶ「極めて重要な場所」とし、「文化施設としての機能に限定せず、それ以外の機能も付加した形での利用も視野に入れる」と述べた。
 設計費や外構工事費などを含まない建設費は、基本計画の策定時点で66億~69億円だが、資材費や人件費などの高騰で大きく増える見込み。鈴木市長は市庁舎跡地全体の整備について、官民で費用負担を分担するPFIなどを導入することで「維持管理費や運営費などの後年度負担も軽減し、持続可能な形にすることが重要」と強調した。

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