長崎市が「都心まちづくり構想」を公表 動線強化が軸、2月末まで意見を公募 

「長崎都心まちづくり構想」の4エリアと提案の一部

 2050年の県都の姿は-。長崎市は30年先の中心部の在り方を展望した「長崎都心まちづくり構想」の素案を公表している。大規模開発が進む長崎駅周辺に生まれたにぎわいを、衰退しつつある浜町などの「まちなか」へどう引き込むのか。そうした市民や観光客の「動線」強化を軸に、土地の利活用など新たな提案を盛り込んだ。
 構想では市中心部を▽川辺▽海辺▽岬▽まちなか-の4エリアに分けた。「川辺」は浦上川沿いの平和公園(松山町)から県庁(尾上町)周辺。「海辺」には海の玄関口となる長崎港・松が枝国際の各ターミナルなどが位置する。「岬」は市庁舎跡地(桜町)や県庁舎跡地(江戸町)があり、エリア名は埋め立て前の地形に由来。新大工町から南山手町に至る「まちなか」は、銅座・思案橋の繁華街やアーケード街を含む。
 エリア別に見ると課題が浮かび上がる。例えば、川辺や海辺には新長崎駅ビルや外資系ホテル、長崎スタジアムシティ(10月開業)などの商業機能が集まる半面、まちなかでは空き店舗の増加や歩行者通行量の減少が目立つ。こうしたエリア間をつなぐ歩行者動線も不足している。一方でにぎわいを見せる川辺でも、浦上川右岸(稲佐町など)は工業系用途地域が点在している影響で土地利用がうまく進まず、長崎駅に距離が近い特長を十分に生かせていない。
 市はこうした課題を解決するため、都心まちづくり構想で▽回遊性の向上▽回遊目的の創造▽多様で柔軟な活用ができる土地利用への転換-といった方策を整理。具体的な提案(地図上の(1)~(9)など)も盛り込んだ。全文は市のサイトで公表し、2月末までパブリックコメント(意見公募)も実施。本年度中に完成させる。

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