東京五輪の競技場、茨城・境町に移設 屋内型 BMX「金」選手祝福 

ローガン・マーティン選手の演技を見る式典参加者=境町上小橋

自転車のBMXやインラインスケートが楽しめる屋内競技場「境町アーバンスポーツパーク2nd」が茨城県境町上小橋に完成した。2021年東京五輪で使われた東京都江東区の仮設の競技場を移設した。21日に完成式典があり、東京五輪男子BMXフリースタイル・パーク金メダリストのローガン・マーティン選手(豪州)ら約260人が集まり完成を祝った。

新しい競技施設は21年5月にオープンした屋外型のアーバンスポーツパークの隣に整備され、両方ともフランスのハリケーン社が設計施工した。五輪後は中国・上海にある同社工場で保管されていたが、町が買い取り、屋根や照明設備を設けた常設の競技場として再出発した。

コース内の床面に描かれた「東京2020」のエンブレムや、五輪のシンボルマークはそのまま生かされた。総事業費は9億900万円。うち約7割に当たる6億2853万円は国の補助金を活用し、そのほかの財源はふるさと納税の寄付金で整備した。

式典にはマーティン選手をはじめ、フランスやオーストラリア、アルゼンチンの在日大使館関係者、永岡桂子前文科大臣らが参加。橋本正裕町長は「全天候型の施設を整備したことで、BMXのワールドカップなど国際大会ができる環境が整った。世界大会を誘致して町を盛り上げたい」とし、近隣自治体と連携しながら開催する意向を示した。

式典後に試走したマーティン選手は「東京五輪と同じレイアウトで、いろいろな思い出がよみがえってきた。パリ五輪や国際大会の前に、ここに戻って練習したい」と感想を話した。

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