中国碧桂園、債権者が清算申し立て 債務再編不透明に

[28日 ロイター] - 中国の不動産大手、碧桂園控股(カントリー・ガーデン・ホールディングス)は28日、16億香港ドル(2億0450万米ドル)相当のタームローンを返済できなかったことを受け、債権者が清算を申し立てたと発表した。

清算申し立てにより同社の債務再編計画に不透明感が強まったほか、中国政府の不動産部門への信頼回復に向けた取り組みにみも水を差す形となった。碧桂園は香港証券取引所への提出資料で、申し立てに「断固として」反対する意向を示した。

清算を申し立てたのは建滔集団(キングボード・ホールディングス)傘下の永恒信貸。5月17日に法廷審理が予定されているという。

碧桂園の株価は発表を受け、12%超下落した。

香港の裁判所は1月下旬、経営再建中の不動産大手、中国恒大集団の清算を命じた。

碧桂園は110億ドル相当のオフショア債務がデフォルト(債務不履行)に陥ったと見なされており、債務再編に向けここ数週間に前向きな動きが出ていた。ただ、清算申し立てを受けて残る債権者が債務再編による解決をためらえば、実現に黄信号がともる可能性もある。

碧桂園は資本構造や流動性ポジションを分析し、「総合的」な解決策を策定するため、KPMGと法律事務所シドレー・オースティンをアドバイザーに起用した。

碧桂園は10月に1500万ドルのオフショア債利払いを履行できず、海外投資家やファンドマネジャーによる社債権者グループが結成された。

碧桂園は声明で、海外債権者と再編計画について引き続き積極的に意思疎通を図り協力すると表明。できるだけ早期の条件公表を目指すとした。

また「一債権者の過激な行動は、当社が保証する建物の引き渡し、通常の業務、海外債務の全体的な再編に大きく影響しない」とロイターに述べた。

16億香港ドルの債権を抱える永恒信貸は昨年10月に碧桂園に返済を求める法定請求を出しており、親会社の建滔は碧桂園に初めて法的措置を取った企業に名を連ねた。

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